頻用薬・処方カスケード、相互作用、注意事項

目次

トピック

  • 新規のAD治療薬発売
  • 週1回のインスリン製剤:超時効型インスリン イコデク
  • 定常状態=半減期の4~5倍の時間で安定する

非がんに対する麻薬

慢性疼痛の保険適応がある麻薬
オキシコンチンTR錠(先発品のみ)→10mg分2から開始、最大60mgまで、確認書が必要、粉砕できない
フェントステープ(先発品のみ)
デュロテップ(先発品のみ)
ノルスパンテープ→7日に1回貼り替え、保険適応は変形性関節症、腰痛症のみ

激しい疼痛、激しい咳嗽、激しい下痢の保険適応がある麻薬
モルヒネ塩酸塩(内服、注射)→同成分のアンペックには非がんの保険適応なし(10mg320円)
アヘン→適応病名はモルヒネ同様、下痢止め作用はモルヒネより強い

ポリファーマシー

  • ポリファーマシーとは「Poly(多くの)」+「Pharmacy(調剤)」の造語ですが、単に薬剤数が多いことではなく、薬剤が多いことにより、薬物有害事象につながる状態や飲み間違い、残薬の発生につながる問題のことをいいます。さらに、不要な処方や過量重複投与など、あらゆる不適正処方も含みます。
https://hcp.ucbcares.jp/epilepsy/product/vimpat/onestep/2

処方カスケード

  • 「処方カスケード(Prescribing Cascade)」は、服用している薬による有害事象が新たな病状として誤認され、それに対して新たな処方が生まれる処方の連鎖をあらわしています
  • 対処法
    • 極力、処方は1か所に集約する、そのために主治医を活用する
    • 薬剤師の介入で薬剤有害事象が35%減少したという研究データもある

先発品と後発品、長期収載品、バイオシミラー

通常、特許出願は臨床試験の前に行われます。その後の開発・審査に10~15年かかるため、発売から5~10年程度で特許期間切れとなります。なお、製薬会社が申請すれば、5年を上限に特許期間の延長が認められます。

→後発品の出るタイミングは薬によってさまざま

長期収載品とは

既に特許が切れている、もしくは再審査期間が終了しており、同じ効能・効果を持つ後発医薬品(ジェネリック医薬品)が発売されている薬のこと。一般的には、後発医薬品のある先発医薬品をいう。

バイオシミラー まったく同じ分子構造の後発品はない

→高分子量の生物学的製剤などは後発薬として開発しても、発酵や培養の際の温度等の条件が異なるため、新薬と全く同じ内容の医薬品ができる訳ではありません。このため、類似品を表す「シミラー」という用語を用いて、「バイオシミラー」とも呼ばれています。バイオシミラーは、これまでタンパク製剤の開発が中心でしたが、がんやリウマチなどの抗体医薬として、分子量の大きな医薬品の開発が進められています。

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簡易懸濁法

経管投与する方法

簡易懸濁法とは錠剤粉砕やカプセル開封をせずに、錠剤・カプセルをそのまま、あるいはコーティングに亀裂を入れて、温湯(約55℃)に入れ、崩壊・懸濁させる

経口投与の場合は粉砕でOK、一包化の袋のまま潰すのがらく

CKDと薬剤投与量

減量が必要な薬剤

減量が不要な薬剤

  • MRA
    CKD4~5の症例には投与中止を検討する
  • すべてのARB
    ARBはすべて肝代謝のため用量調節不要、ただしCKDを増悪しうるため少量から開始する
    CKDステージ4~5でもARB使用できる
  • ジギタリス
    Cre<3.0㎎/dLの症例では影響なし、高度低下例では慎重投与
  • トルバプタン
    CKDでも腎機能を低下させることなく使用可能
  • 抗帯状疱疹・ヘルペスウイルス薬
    • 減量が不要:アメナビル(アメナリーフ)→皮疹出現5日以内に開始する、原則7日間使用する
    • 減量が必要:アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル

TDMが必要な薬剤

特定薬剤治療管理料1
470点(対象薬剤により4月目以降235点)
特定の薬剤を投与している特定の疾患の患者に対し、薬物血中濃度を測定して投与量を精密に管理した場合に算定。月1回470点の算定が原則 ですが、対象薬剤により算定方法が異なる場合があります。(採血料含む)

有害事象(消化器系)

NSAIDSと消化管出血

もっともハイリスクなのはジクロフェナクではなく、ケトプロフェン
腫瘍熱に用いるナイキサンもハイリスク

https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/y2022/di_02

便秘

悪心・嘔吐

  • トラマール(トラマドール):
    • 国内の臨床試験では、慢性疼痛に使用した方の中の約81.9%の方に副作用が認められた(悪心が41.4 %、嘔吐が26.2%、便秘が21.2 %)
    • 嘔気(41%):通常、麻薬と同じで嘔気は自然に治まる(7-14日程度)
    • 制吐剤の予防投与のエビデンスなし→使うならノバミンかプリンペランかナウゼリンか

薬剤性消化管傷害

  • 消化器内視鏡 2019.6 特集【こんなにある薬剤性消化管傷害】に詳しい
  • 上部消化管の消化性潰瘍
  • NSAIDSやLDA、DAPTによる小腸粘膜傷害→空腸~回腸まで(稀には大腸も)生じうる
    NSAIDsによる小腸傷害は、発赤、びらん、円形あるいは類円形潰瘍、不整形潰瘍、輪状潰瘍など多彩な形態を呈する。粘膜病変は多発傾向があり好発部位はないが、重症病変は遠位回腸に認められる場合が多い。
  • 免疫チェックポイント阻害薬による大腸炎
NSAIDs 起因性小腸傷害の発症機序と治療法は?

NSAIDs 起因性小腸傷害の発症機序としては,上部消化管傷害と同様にNSAIDs による cyclooxygenase(COX)活性の阻害による粘膜の prostaglandin(PG)量の低下が重要であるが,これに加えて腸内細菌が強く関与していることが判明している.

NSAIDs 起因性小腸傷害に対する予防・治療法は未だ確立されていないが、ミソプロストール(サイトテック®),レバミピドなどの胃粘膜防御因子増強薬,抗生物質,プロバイオティクスなどがこれまでにカプセル内視鏡を用いた臨床試験により有効性が確認されている.

薬剤性肝障害(DILI)

有害事象(循環器系)

QT延長、TdP

  • QT延長(QTc>0.46s)をきたす原因には先天性と2次性がある
  • 2次性で最も多いのは薬剤性だが、低K・低Mg血症、洞性徐脈、心肥大などの要因が複数重なることで誘発されやすくなる→VFに対する治療と同時に原因の補正が必要
  • QT延長→TdP(特殊型VT)やVFに進展し突然死しうる
  • 抗不整脈薬によるTdP発生率は2.0~8.8%→処方できるのは専門医のみ
  • 向精神薬、抗菌薬、抗真菌薬、抗アレルギー薬、消化器用薬などのTdPは年間1人/1~10万
  • 低栄養(アルコール多飲など)による低K血症からTdP→VFが多い→蘇生と同時に補正が必要

薬剤性浮腫

  • 薬剤性浮腫の機序は①リンパ液の排出障害によるリンパ浮腫、②血管透過性亢進による透過性浮腫、③Naまたは水の再吸収亢進による腎性浮腫、④毛細血管の静水圧を上昇させる前毛細血管の細動脈拡張による浮腫に大別される
  • ①→
  • ②→ACE阻害薬、t-PA、ピル
  • ③→NSAIDS、ピオグリタゾン、インスリン
  • ④→カルシウム拮抗薬、ガバペンチン、プレガバリン、レボドパ

血圧上昇

  • NSAIDSの副作用で血圧上昇がある
    • PGE2等の産生が抑制されると、腎臓の輸入細動脈が収縮し、腎血流量が減少します。その結果、代償的に近位尿細管再吸収が促進されて、Naや水の貯留が進み、血圧の上昇やむくみをきたします。
    • NSAIDsを服用している方で、高血圧が悪化している方がいたら、NSAIDsが原因かもしれません。
    • また、ACE阻害薬やARBを併用している場合は、要注意です。PG生成促進作用による降圧作用がNSAIDsにより減弱している可能性があります。

有害事象(内分泌・代謝系)

骨代謝に影響するももの

  • 骨粗鬆症に影普段、皆さんが服用されている薬の中でも骨折リスクを増大させてしまう薬剤があります。
    • チアゾリジン誘導体(アクトス)
    • プロトンポンプ阻害剤(ネキシウム、ランソプラゾールなど)
    • ステロイドホルモン剤(メドロール、プレドニンなど)
    • 抗うつ薬(セロトニン受容体選択的阻害薬:SSRI)
    • 抗てんかん薬(テグレトールなど)

DM治療:インクレチン関連薬(=DPP-4阻害薬、GLP-1作動薬)

  • 胃内容物排出遅延作用により食欲低下→痩せる作用があるので、胃蠕動低下はある意味必然!!!
  • 腸閉塞、便秘

尿酸値上昇

  • サイアザイド系、ループ利尿薬は尿酸値を上昇させる
  • 利尿薬の中で,カリウム保持性利尿薬は尿酸代謝への影響が乏しい
  • 大量のβ遮断薬の投与は血清尿酸値を上昇させる。αβ 遮断薬も同様に血清尿酸値を上昇させる
  • ロサルタンカリウムは血清尿酸値を平均0.7mg/dL 程度低下させる(他のARB の臨床用量では血清尿酸値に明らかな影響を及ぼさない)

有害事象(神経・精神系)

認知機能低下と認知症

  • 認知:人間などが外界にある対象を知覚した上で、それが何であるかを判断したり解釈したりする過程のこと
  • 認知機能:ものごとや外界を正しく理解し、適切に実行するための機能のことを指し、具体的には、「記憶・判断・計算・理解・学習・思考・言語及び実行機能(行動制御)等を含む、脳の高次の機能」のこと
  • 認知症の定義:いったん知能を獲得し成熟した脳.組織が何らかの原因(脳器質性変化)により損傷され,病前にあった知能を中心とする精神機能が低下し,そのために日常生活に支障をきたした状態
https://www.tateishinaika.com/library/582a6f97c31dfde51240d97b/5a8f6f33073797534ea51554.pdf

認知機能低下(加齢による物忘れ)と認知症は明確に区別する必要がある!!
認知機能低下の10%は薬剤性といわれている→可逆的

認知機能低下を抑制する因子

  • 新規の貧血診断は、認知症のリスク因子であることが示唆され、鉄欠乏性貧血患者に対する鉄分サプリメント使用は、認知症リスクを低下させる可能性がある
  • 貧血は、認知症発症の独立したリスク因子であり、重度においては顕著なリスク増加を伴うと考えられる(調整HR:1.24、95%CI:1.02~1.51)
  • スタチン使用は、認知症リスクの有意な低下と関連している
  • 高血圧患者に対する降圧薬使用は、認知症リスクを低下させる。しかし長期の観察では、特定の降圧薬が、他の降圧薬と比較し、認知症リスク低下に効果的であることは示唆されなかった。このことから、今後の高血圧臨床ガイドラインでは、認知症リスクに対する降圧薬の有益な効果を考慮すべきである

認知機能低下を促進する因子

薬剤長期使用と認知症リスク
 抗うつ薬が1.29(1.24-1.34)
 パーキンソン病治療薬が1.52(1.16–2.00)
 抗精神病薬が1.70(1.53-1.90)
 過活動膀胱治療薬が1.65(1.56-1.75)
 抗てんかん薬が1.39(1.22-1.57)

80歳未満の認知症と抗コリン薬使用の関係は強力

 高容量暴露群の認知症の調整オッズ比は、
 80歳未満で診断された患者は1.81(80歳以上では1.35)

Anticholinergic Drug Exposure and the Risk of Dementia:JAMA Intern Med誌電子版2019年6月24日掲載

https://www.med.or.jp/dl-med/chiiki/tebiki/H3004_shohou_tebiki2.pdf

不眠

  • 現代社会の3人に2人の成人が睡眠について何らかの問題を抱えている→プライマリケアでも重要な主訴となる
  • 成人の不眠の原因となる疾患を鑑別する
    SAS、レム睡眠行動障害、レストレスレッグス症候群、概日リズム障害、うつ病、不安症、物質使用障害(依存症)、呼吸器疾患、心疾患、腎疾患、疼痛性疾患、更年期障害、掻痒、など

睡眠障害をもたらす主な薬物

薬 剤自他覚評価
抗パーキンソン病薬ドパミン製剤レボドパ不眠、過眠、悪夢(75%)
MAO-B阻害薬セレギリン不眠(10~22%)など
ドパミンアゴニストペルゴリド、
ブロモクリプチンなど
不眠、過眠
ドパミン放出促進薬アマンタジン不眠(40%)など
抗コリン薬トリへキシフェニジル
など
幻覚、妄想、躁状態、不安など行動異常が認められることがある
降圧薬β受容体遮断薬
(脂溶性)
プロプラノロールなど不眠、悪夢、倦怠感、抑うつ
β受容体遮断薬
(水溶性)
アテノロールなど一般に脂溶性薬剤より症状は軽度
カルシウム拮抗薬ニフェジピン、
ベラパミル
焦燥感・過覚醒など
高脂血症薬 クロフィブラートなど倦怠感、眠気
抗ヒスタミン薬H1受容体遮断薬
H2受容体遮断薬
 鎮静、眠気
ステロイド製剤 プレドニゾロンなど20~50%が不眠の訴え
気管支拡張薬 テオフィリンなど不眠
抗てんかん薬 バルプロ酸、
カルバマゼピンなど
鎮静、眠気
その他インターフェロン、
インターロイキン製剤
 不眠、過眠

抑うつ

  • 日本のうつ病は70万人以上(2008年)と言われている(受診率が低いためもっとたくさんいるはず!)。
  • うつ病では、身体症状をともない、身体科に受診する場合もある→どの診療科でもうつ病を見る機会がある
  • 抑うつ症状の評価にはPHQ-9を使用する(症状評価は、「全くない=0点」「数日=1点」「半分以上=2点」「ほとんど毎日=3点」として総得点(0〜27点)を算出する。0〜4点はなし、5〜9点は軽度、10〜14点は中等度、15〜19点は中等度〜重度、20〜27点は重度の症状レベルであると評価する)
  • 抑うつの原因として鑑別が必要なもの
    貧血、甲状腺機能低下、糖尿病、てんかん、SAS、Parkinson病、ビタミン欠乏、感染症、認知症、せん妄、更年期障害、脳腫瘍

薬剤開始後に抑うつが出現/増悪する場合には、原因薬剤となっている可能性がある
有名なもの:ステロイド、ピル、インターフェロン、オピオイド、トリプタン、バレニクリン(ニコチン受容体作動薬)、バルビツール酸

頻用薬

NSAIDS

セレコキシブ

1日2回でよい
発熱時の解熱剤としては使用しない
消化性潰瘍のリスクが少ない
適応疾患の幅が狭い→主に整形疾患
薬の相互作用が多い→ACEI、ARB、利尿剤、アスピリン、クロピド→心疾患には不向き
主な副作用としては、吐き気、嘔吐、発疹、傾眠、めまいなど→自動車運転時には処方しない
本剤の投与開始後2〜4週間を経過しても治療効果に改善が認められない場合は、他の治療法の選択について考慮する(本剤の1年を超える長期投与時の安全性は確立されておらず、外国において、本剤の長期投与により、心筋梗塞、脳卒中等の重篤で場合によっては致命的な心血管系血栓塞栓性事象の発現を増加させるとの報告がある)


セレコックスは、作用時間が長く持続するため、ロキソニンが1日3回の服用に対して、セレコックスは1日2回の服用になります(1回100〜200mg)。頓服で服用する場合も、間隔は少なくとも6時間以上あけるような指示があります。又、ロキソニンは、解熱剤としての適応がありますが、セレコックスは、解熱剤としては服用しません。

抗凝固薬(DOAC)

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/survey/202008/566581.html

効能効果に大差はない→安全に継続できることが重要
使い分けの基準は①腎機能と➁投与回数
ガッツリ24時間のカバーなら分2のプラザキサまたはエリキュース(若者はプラザキサ300㎎)
エリキュースがもっとも有効性・安全性において汎用性が高いといえる(デメリットは分2)

リクシアナ添付文書
非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制→出血リスクが高い高齢の患者では、年齢、患者の状態に応じて1日1回15mgに減量できる。

高齢者(>80歳)+リスク因子(NSAIDSや抗血小板薬との併用、低体重(<45㎏)出血既往、15<CCr<30)→リクシアナ15㎎分1 1択
高齢者(>85歳)、またはCCr<30となったらリクシアナ15㎎分1にする

H1受容体拮抗薬

副作用が心配ならアレグラ(車の運転など)スタート!

1日1回服用する抗ヒスタミン薬には、次のようなものがあります。
ビラノア(ビラスチン)20mg、CCr<50以下は使用注意→若年者向け、空腹時投与しばり
◎ルパフィン(ルパタジン)10~20mg
 増量できるのがメリット!
アレジオン(エピナスチン)
エバステル(エバスチン)
クラリチン(ロラタジン)
ザイザル(レボセチリジン)
ジルテック(セチリジン)
デザレックス(デスロラタジン)

第一選択は
 オロパタジン(アレロック)分2 または ルパフィン分1
第2選択は
 レボセチリジン(ザイザル) 分1 または ビラノア分1

アレロック、ザイザルは眠気強い 眠気少ないのはビラノア

第一世代は、緑内障や前立腺肥大のある患者では禁忌!
→緑内障患者、高齢男性、小児(けいれん誘発)には安易に処方しない!
 第二世代は、禁忌に抗コリン系副作用の該当なし

https://iida-naika.com/blog/hay-fever/
https://iida-naika.com/blog/hay-fever/

副作用

  • 眠気集中力・判断力の低下(インペアードパフォーマンス):ヒスタミンは脳の覚醒作用があるため、抗ヒスタミン薬ではこの副作用が起こる
  • 口の渇きおしっこの障害緑内障の悪化:抗ヒスタミン薬は抗コリン作用があるため。認知機能低下も引き起こす。

PPI/VPZ

ボノプラザン(タケキャブ)の副作用 0.1~5%未満
便秘、下痢、お腹の張り(膨満感)、吐き気
発疹
肝機能障害
むくみ
好酸球増多

潰瘍予防投与について

  • 消化性潰瘍診療ガイドライン2020での提言
  • NSAIDS潰瘍予防にはPPI予防投与orセレコキシブへの変更が良い、潰瘍既往(+)ならPPIandセレコキシブ
  • LDA潰瘍予防にはPPIorVPZがよくNSAIDS+LDA併用症例の潰瘍予防にはPPI+セレコキシブが推奨
  • DAPT時にPPI併用による出血予防を行うよう強く推奨
  • H2RAには潰瘍予防効果なし、保険適応もなし
  • 潰瘍既往のある予防投与はPPIの一部で保険適応あり(ランソプラゾール15mg、ラベプラゾール5~10mg、エソメプラゾール20mg、VPZ:10mg)
  • いずれも潰瘍既往のない予防投与に対する保険適応はないが、ガイドラインでは推奨となっている
  • 胃全摘後の場合、胃潰瘍のリスクはなくPPIは不要だが、LDAやNSAIDSによるOGIBのリスクはある(予防法なし)
  • NSAIDSやLDAを投与する場合、①若年者、②65歳以下かつ潰瘍の既往がない方以外は予防投薬のPPIは必要と考える

PPI長期投与の有害事象について

  • PPI服用による、肺炎、認知症、骨折などの有害事象が観察研究では危惧されているが、昨年報告された3年間にわたるPPIとプラセボ投与の大規模無作為化試験で有意差が見られたのは腸管感染症のみだった。とはいえ、必要以上に長期にわたってPPIを投与するのは避けるべき」
  • 骨折リスクの増加
  • 誤嚥性肺炎のリスクの増加
  • 強く胃酸を抑えることによる腸内細菌叢への影響(dysbiosis)

投与期間の制限について

  • VPZ/PPI製剤は、胃潰瘍と逆流性食道炎の場合は8週間まで、十二指腸潰瘍では6週間まで
    →初回処方は4週まで(いきなり8週間出すと切られる?)、効果不十分の場合8週まで追加可能
  • 再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎
    ①パリエット1回10mgを最大1日2回経口投与
    ②タケプロン1回15mgを1日1回経口投与するが、効果不十分の場合は、1日1回30mgを経口投与
    ③ネキシウム1回10~20mgを1日1回経口投与(小児も使用可能)
    ④タケキャブ1回10mgを1日1回経口投与するが、効果不十分の場合は、1回20mgを1日1回経口投与

ヒスタミンH2受容体拮抗薬

プロテカジン(ラフチジン):腎機能障害による用量調節不要

  • 肝代謝
  • 高齢者の腎機能低下傾向者(CCr20~60)と腎機能正常患者とで血中動態に差はなく、添付文書上は腎機能に応じた投与量の増減量について記載はない

下剤(経口薬)

慢性便秘ガイドライン
①無効時は②~⑥の新薬6種類から選択して使用する(優先順位はない)
①MgO②ラクツロース③ポリエチレングリコール④リナクロチド⑤ルビプロストン⑥エロビキシバット
1週間程度試して無効なら薬を変更する

グーフィス、リンゼス→食前投与

アミティーザ→食後投与

酸化マグネシウム

  • 酸化マグネシウム製剤は安価で効果的な薬剤だが、相互作用を示す薬剤が多数存在するので注意が必要
    • 骨粗鬆症治療薬(ビタミンD3やビスホスホネート製剤)の吸収が減弱する
    • H2RAやPPIとMgO併用するとMgO効果が減弱する
    • 鉄剤や抗生剤の吸収が減弱する
      鉄剤内服後はMgOの服用まで最低2時間あけ、また、MgO内服後は最低3~6時間あけて鉄剤を服用すれば、両剤の消化管内での相互作用は避けることができる
    • カリウム吸着剤の効果が減弱する
  • 酸化マグネシウムは高マグネシウム血症のリスクがあり、『慢性便秘症診療ガイドライン2017』では、定期的な血清マグネシウム濃度の測定を行うことが推奨されている
  • 高齢者腎機能低下者などでは、高マグネシウム血症のリスクが高い
  • MgOが使用しづらいケースでは新規便秘薬(リンゼス、グーフィス、モビコールHD/LD、アミティーザ)を使用するが値段は10~15倍もする
MgOによる高マグネシウム血症について

血清マグネシウム濃度の正常範囲は1.8~2.6mg/dL(0.74~1.07mmol/L)
高マグネシウム血症(>2.6㎎/dL):本剤の投与により,高マグネシウム血症があらわれ,呼吸抑制,意識障害,不整脈,心停止に至ることがある。血清マグネシウム濃度が6~12mg/dL(2.5~5mmol/L)のときは,心電図にPR間隔の延長,QRS幅の増大,およびT波の増高がみられる。血清マグネシウム濃度が12mg/dL(5.0mmol/L)に近づくと深部腱反射が消失し,高マグネシウム血症が増悪すると低血圧,呼吸抑制,ナルコーシスが生じる。血中マグネシウム濃度が15mg/dL(6.0~7.5mmol/L)を上回ると心停止が生じることがある。
悪心・嘔吐,口渇,血圧低下,徐脈,皮膚潮紅,筋力低下,傾眠、心電図異常等の症状の発現に注意するとともに,血清マグネシウム濃度の測定を行うなど十分な観察を行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。

腎機能の悪い高齢者にMgO使用する際は3か月ごとにMgの採血をおこなうべし!

PPIとMgOの相互作用

GERD患者の約半数が便秘を合併していたという報告もある
酸分泌抑制剤と酸化マグネシウム製剤の相互作用については、便秘治療の有効性が有意に低下し、かつ酸化マグネシウム製剤の服用量も有意に増加していた

https://www.m3.com/clinical/news/1063708

上皮機能変容薬:リンゼス、アミティーザ

  • リンゼスは179円/日(アミティーザは246円)もする→後期高齢者や生活非困窮者に良い適応
  • アミティーザは妊産婦には禁忌(流産リスク↑↑)
  • MgOで認められた飲み合わせの悪い薬剤もない!!!
  • 薬剤の種類と特徴
    • リンゼス(リナクロチド):グアニル酸シクラーゼC受容体アゴニスト
      • 作用:
        腸管分泌や小腸輸送能を促進し、大腸痛覚過敏を改善する
      • 適応症:
        便秘型過敏性腸症候群、慢性便秘症(→追加承認)
      • 体内にほとんど吸収されないため安全性に優れ、薬剤相互作用なし
      • 0.25~0.5mgを1日1回、食前に経口投与
      • 腸管内に水分を引き込んで便を軟らかくする他に消化管粘膜の内臓知覚神経の痛覚過敏性を抑えることで腹痛を改善する効果がある(→IBD適応症の理由
    • アミティーザ(ルビプロストン):クロライドチャネルアクチベーター
      • 若年女性(妊産婦禁忌!)を中心に悪心の副作用がある
      • 1回24μgを1日2回、朝食後及び夕食後に経口投与
      • 副作用:嘔気23%(食前投与で↑↑)、下痢30%、腹痛(5%と少ない)

ポリエチレングリコール製剤:モビコールHD/LD

妊婦や小児にも使用できる、通常HD1袋から開始する
成人ならLDで6包、HDで3包まで

  • ニフレックと同成分、モビプレップとも似た成分
  • 味は塩味
  • 2022年5月から販売
  • HD1袋125円、LD1袋70円
  • 粉製剤を溶解する必要があり面倒
  • かなりかさばってしまう
  • 用法用量:
    • 成人及び12歳以上の小児には初回用量としてLD 2包又はHD 1包を1日1回経口投与
    • モビコールは1包あたり約60mlの水に溶かして服用します(2包の倍は120ml)
  • HD1袋=LD2袋の用量=マクロゴール4000約13g含有
PEG製剤の仲間

アスコルビン酸(=ビタミンC)を添加してより高張にしたPEG-Asc製剤(モビプレップ®️)
刺激性下剤の一種であるピコスルファートを含有させたPEG製剤(ピコプレップ®️)

胆汁酸トランスポーター阻害薬:グーフィス(エロビキシバット)

脂質異常症、肥満の便秘に良い適応
トリプルアクションの作用機序

製薬会社HPより
  • グーフィスの初回自発排便発現までの時間の中央値は5.2時間。用法は「1日1回食前」であるが、夕食前に飲んだ場合、夜間に排便したくなる可能性もあるので、飲み始めは朝食前のほうがいい
  • グーフィスは、便を柔らかくする、腸の動きを良くするデュアルアクションの下剤
  • 大腸管腔内で胆汁酸が増加すると、胆汁酸の働きによって大腸管腔内へ水分が分泌され、また消化管運動が促進することが知られています。
  • 胆汁酸トランスポータ阻害薬は、小腸での胆汁酸の再吸収を阻害しますので、大腸に流れる胆汁酸が増加します。
  • 胆汁酸の原料にはコレステロールが含まれるため、グーフィスにはコレステロールの低下作用も見込める(グーフィスはもともと、高脂血症改善薬の探索において見出された化合物を基に構造展開された低分子化合物)
  • エロビキシバットの承認審査報告書では、国内第3相臨床試験でLDLコレステロールは10%程度低下したが、「臨床的に問題となる可能性は低い」との見解を示している
  • 副作用:
    腹痛(19.0%)、下痢(15.7%)、胆汁酸利用障害→やせる?
グーフィスは高齢者にも有効
製薬会社HPより

臨床試験では高齢者・後期高齢者いずれののサブグループ解析においても便形状スケールの改善が得られた

刺激性下剤

小腸刺激性と大腸刺激性があるがどちらも連続して使用すると効きが悪くなり、増量しないと効果が得られなくなる傾向がある。

  • 小腸刺激性下剤(ヒマシ油)
    小腸の中でリパーゼ(小腸分解酵素)の作用を受け、グリセリンとリシノール酸に分解され、このリシノール酸が小腸を刺激することで排便を促す
  • 大腸刺激性下剤
    アントラキノン系、②ジフェノール系、③ジフェニルメタン系3つに分類される
    大腸メラノーシスを起こすのは①アントラキノン系だけだが、弛緩性便秘(筋層間神経叢の障害により生じ、進行すると不可逆的となる)を起こすのは①~③すべて
    • アントラキノン系(ダイオウ・センナ・アロエ等)→大腸メラノーシス、弛緩性便秘、などの原因
      この薬はそのままの形では効果を発揮しないため、胃や小腸では作用せず、大腸の腸内細菌によって分解されて作られたアントラキノンが大腸の粘膜を直接刺激もしくは腸管壁の神経を刺激することによって蠕動運動を亢進する。妊婦においては流早産のリスクがあり処方は控えるがOTC薬の7割にアントラキノン系が使用されている。
      • 大黄:
        漢方薬を構成する生薬の1つである大黄は,タデ科ダイオウ属植物の根茎を乾燥させたものであり,アントラキノン系のセンノシドを多く含有している
      • センナ:
        センナとはアフリカ原産のマメ科の植物(→つまりセンナ自体は漢方薬ではない)で、葉や実にアントラキノンの一種の『センノシド』を含む
    • ジフェノール系下剤
      ピコスルファートナトリウム®、ラキソベロン®、ピコラックス®、ビオフェルミン便秘薬®、があり、アントラキノン系と比較して作用はマイルド
    • ジフェニルメタン系下剤
      ビサコジルは嘔吐・腹痛などの副作用が出やすい
      一般薬としてはコーラック®、ビューラック®にビサコジルが含まれる
      処方薬としてのビサコジルの剤型は坐薬のみ(テレミンソフト坐薬®)
    • 大腸メラノーシスを起こすのは①アントラキノン系だけですが、弛緩性便秘を起こすのは①~③すべて
大建中湯の成分は?

いわゆる刺激性下剤の成分(センナ、大黄)は含まない

  • 人参(ニンジン):滋養・強壮作用
  • 山椒(サンショウ):胃腸の働きをよくして、お腹の冷えや腹痛をやわらげる
  • 乾姜(カンキョウ):乾燥させた生姜。胃腸の働きをよくして、お腹の冷えや腹痛をやわらげる
  • 膠飴(コウイ):胃腸の調子を整え、また、栄養分の補給

便秘治療の効能がある漢方薬で大黄(ダイオウ)が含まれていないのは、大建中湯だけ

センナと大腸メラノーシス

大腸メラノーシスの色素の正体はリポフスチンと言って、大黄など刺激性の下剤で腸管の細胞が死滅し、それをマクロファージが食べることで、この色素が合成され沈着する。ただ単純に色素が沈着しているだけではなく、このような状態になると、大腸の運動に係る神経も損傷を受けていて、腸の緊張がない、弛緩性便秘と言われる状態になってしまう。1年間、原因となっている便秘薬を中止して他剤に変更すると色がもどる。

アントラキノン系下剤にはセンナ、アロエ、大黄(ダイオウ)、カスカラ、キャンドルブッシュがあり、この種類が大腸メラノーシスの原因となる。

センナを含む薬品:
センノシド®、プルゼニド®、ソルダナ®、アローゼン®、アジャストA®、ヨーデル®、セチロ®、スルーラック®、新ウイズワン®

大黄(ダイオウ)を含む薬品:
セチロ®、大黄甘草湯®、防風通聖散®、麻子仁丸®、柴胡加竜骨牡蛎湯®、大柴胡湯®、乙字湯®、桃核承気湯®、その他各種漢方薬、タケダ漢方便秘薬®、ハーブイン「タケダ」®、ナイシトール®

カスカラ(カサンスラノール)を含む薬品:
ビーマス®、ベンコール®、新ウイズワン®

下剤(経肛門)

坐剤は内服薬で症状の改善が見込めず1時間以内に反応便を期待したい場合に使用する。
いずれも冷所保存(座薬は体温で溶けるためすべて冷所)であることを患者さんにも情報提供する。

レシカルボン座薬

炭酸水素ナトリウム・無水リン酸二水素ナトリウム配合剤(新レシカルボン®坐剤)は,腸内で炭酸ガスを発生させ,直腸を拡張,反射を促し,直接蠕動運動を高め自然の排便作用を促す目的で使用する

ビサコジル坐剤(テレミンソフト)

ビサコジル坐剤は刺激性下剤
成人用10 mgと幼児用2 mgの2種類があり肛門挿入後15~60分以内に効果が現れるが,耐性化の危険性を孕む点には注意が必要

先端で直腸前壁を損傷しないようにガードしながら挿入する

制吐剤

嘔気・嘔吐のメカニズム

抗精神病薬の有害事象の出現頻度

抗精神病薬

  • ノバミン(プロクロルペラジン):D2+5HT2受容体阻害作用(D2>>>5HT2>α1)
  • コントミン(クロルプロマジン):D2>>>M1≒H1≒α1>5-HT2
  • レボトミン、ヒルナミン(レボメプロマジン):D2+H1+5HT2受容体遮断
  • リスパダール(リスペリドン):D2+H1+5HT2受容体遮断(D2>>α1>5HT2)
  • ドロレプタン(ドロペリドール):D2+H1+5HT2受容体遮断
  • セレネース(ハロペリドール):D2>>α1>5-HT2、制吐作用あるが、H1拮抗ないので眠くはなりにくい
  • ジプレキサ(オランザピン):MARTA、M1>5-HT2>>H1>α1>D2、糖尿病禁忌!!!同じMARTAでもクエチアピンやペロスピロンには制吐作用は確認されていない

抗ドパミン

  • プリンペラン(メトクロプラミド):
    • 作用機序:
      上部消化管のD2受容体に作用してAchの遊離を促進→胃・十二指腸の運動を促進する
      CTZのD2受容体にも作用して制吐作用を示す
      食後の早期満腹感(early satiety)にも有用→食前投与が推奨
  • ナウゼリン(ドンペリドン):
    • 作用機序:
      上部消化管のD2受容体に作用してAchの遊離を促進→胃・十二指腸の運動を促進する
      CTZのD2受容体にも作用して制吐作用を示す
      食後の早期満腹感(early satiety)にも有用→食前投与が推奨
    • 成人の場合、経口と座薬では適応疾患が異なる
      • OD錠10㎎→慢性胃炎、胃下垂症、胃切除後症候群
      • 座薬60㎎→胃・十二指腸手術後、抗悪性腫瘍剤投与時(ほぼ必ず適応外使用になる)
ナウゼリンの経口と座薬の用量の違い

結論:
成人の場合 経口10㎎1日3回毎食前=座薬60㎎1日2回
小児の場合 経口1日1.0〜2.0mg/kgを1日3回食前=座薬10~30㎎を2~3回(3歳未満は10㎎)

ナウゼリンを経口投与した場合、小腸から吸収される前に胃壁のドパミンD2受容体を直接遮断する作用があるため、坐剤よりも少ない用量で効果を発揮することができるとされている(久留米薬剤師会より)

メーカーホームページでの説明
経口剤と坐剤の双方を対比した厳密な用量試験に基づいて設定された訳ではなく、各々の使用対象となる疾患の消化器症状の程度や性質を考慮して実施された臨床試験の結果に基づいて決められたもの

プリンペランとナウゼリンの類似点と相違点
  • 類似点→いずれもD2受容体阻害薬
    • 上部消化管延髄CTZD2受容体に対して拮抗的に作用する(ドパミンがD2受容体に結合するとアセチルコリンの遊離が抑制される
    • アセチルコリンの遊離を促進させることで弱った胃腸の運動を高め、消化器機能の異常を改善する
    • 延髄にある化学受容器引き金帯CTZ(chemoreceptor trigger zone)にも働き、抑吐作用も有する
    • 内分泌機能異常(プロラクチン値上昇)、錐体外路症状等の副作用があらわれることがある
    • その他の抗ドパミン作用薬との併用時は注意が必要
  • 相違点
    • BBB透過性はプリンペラン>ナウゼリン→プリンペランの方が錐体外路症状でやすい
    • ナウゼリンは動物実験で骨格、内臓異常等の催奇形作用が報告されているため添付文書上では妊婦には禁忌

抗ヒスタミン薬

  • 第1世代H1受容体阻害薬:
    • ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン:
      • H1受容体遮断、抗コリン作用もある
    • アタラックス(ヒドロキシジン):
      • H1受容体拮抗作用をもち、内耳の前庭と嘔吐中枢のH1受容体に作用する
      • 副作用として眠気と抗コリン作用

ステロイド

  • デカドロン(デキサメタゾン):
    • 制吐の機序は不明!

5HT3受容体拮抗薬

セロトニン=5-ヒドロキシトリプタミン(5-HT)
受容体サブタイプは、構造によって7つ(5-HT~5-HT7)に分類されている
(が役割が不明なものも)

グラニセトロンおよびオンダンセトロンが、術後の消化器症状(悪心、嘔吐)に対して、効能・効果及び用量・用量追加

  • 5HT3受容体拮抗薬:
    • 化学療法に対する保険適応のみだが、その他の嘔気にも有効
    • 5HT1系:さらに5-HT1B受容体や5-HT1D受容体、5-HT1F受容体があり、片頭痛治療薬のターゲット
    • 5HT2系:???
    • 5HT3系:制吐剤のターゲット
  • ガスモチン(モサプリド):
    • 5HT4受容体拮抗薬、消化管蠕動促進
  • H2受容体遮断薬、第2世代H1受容体阻害薬には直接的制吐作用なし
  • D2受容体遮断で錐体外路症状が出る
  • 抗コリン薬も制吐作用を有するがBBB通過しないため有効ではない
ガン緩和治療のトラベルミンとミルタザピン

トラベルミン®は抗ヒスタミン作用
吐き気が出た場合、頓用でトラベルミン®配合錠を内服する(レスキューのナルラピドと同時に内服しても良い)。吐き気が継続する場合は、トラベルミン®配合錠を 1 日 2~3 回定期的に内服する。

ミルタザピン(NaSSA、レメロン、リフレックス)は抗ヒスタミン作用に加えて5-HT3 受容体拮抗作用により制吐作用を表す。ミルタザピンは、眠気が出やすいので、0.25 錠または 0.5錠程度(眠前 1 回投与)から開始し、翌日の持越しの眠気を観察し、増減量する。また、オピオイドによる吐き気は、1 週間程度で耐性ができるので、制吐薬の漫然とした投与は避ける。

整腸剤

酪酸菌、乳酸菌、糖化菌 の3種類

  • 腸内細菌には、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3つの菌がある
  • この3つの菌のバランスが善玉菌が20%、悪玉菌が10%、日和見菌が70%の割合で保たれることで、理想の腸内環境がつくられる

酪酸菌

  • 腸に届いた食物繊維を発酵・分解して酪酸をつくる細菌の総称
  • 医療用医薬品:ミヤBM(ミヤリサン製薬)、OTC医薬品:太田胃散整腸薬、新ミヤリサン錠
  • 宮入菌(Clostridium butyricum
    • 偏性嫌気性の芽胞形成性酪酸菌であり、10~20%の人の腸管内に常在している
    • そのC. butyricum のなかで、MIYAIRI株は1933年に千葉医科大学衛生学教室(現 千葉大学医学部)宮入近治博士により、人腸管内より、腐敗菌に対して強い拮抗作用がある酪酸菌として報告された
    • 本菌は腐敗菌をはじめとした種々の消化管病原体に対して拮抗作用を有し、BifidobacteriaLactobacillus等のいわゆる腸内有益菌と共生することにより、整腸効果を発揮する
    • 本菌は芽胞形成細菌であることから、製剤中における安定性および胃酸に対する抵抗性が乳酸菌群と比較し高い
    • 耐熱性
      • 80℃では30分、90℃では10分の湿熱条件において全試験菌株が生存
    • 抗生物質抵抗性
      • 酪酸菌(宮入菌)製剤を各種抗生物質と同時に投与した場合においても、酪酸菌(宮入菌)単独投与と同様に腸管内において発芽、増殖することが確認されている  
    • 胃液に対する安定性
      • pH1.0~5.4の健康な成人男子の胃液中にて37℃1時間振盪することにより、乳酸菌および腸球菌の菌数は著しく減少するのに対し、酪酸菌(宮入菌)は影響を受けない
    • 腸管病原性細菌の増殖抑制作用
      • 腸管病原性細菌であるVibrio choleraeV. parahaemolyticusAeromonas hydrophilaSalmonalle enteritidis、腸管出血性大腸菌O157: H7、Shigalla flexneriHelicobacter pyloriおよびC. difficileと酪酸菌(宮入菌)の試験管内混合培養の結果、腸管病原性細菌の顕著な増殖抑制が確認された

乳酸菌

  • 乳酸菌は乳酸を産生する菌の総称
  • 乳酸菌の役割(→腸管内における乳酸の作用)
    • 乳酸を産生し、腸内を酸性に傾け悪玉菌を減らす
    • 腸のぜん動運動を促進し、整腸作用としての働きを持つ
    • 小腸で免疫細胞に取り込まれることで免疫増強効果がある
    • コレステロールを下げる
    • ビタミンB群、ビタミンKを合成する
  • 乳酸菌に分類される菌種
    • 乳酸菌:
      糖を食べて乳酸を産生、酸素のある小腸と酸素がほとんどない大腸の両方に生息
      腸内を酸性化し悪玉菌の抑制、免疫細胞を刺激する役割を持っている
    • ビフィズス菌:
      糖を食べて乳酸と酢酸を産生、偏性嫌気性のため、大腸にのみ生息
      大腸における乳酸菌とビフィズス菌の割合は、ビフィズス菌が約99.9%、乳酸菌は約0.1%
      ビフィズス菌が産生した酢酸は、大腸の中でさまざまな働きをする
      ・大腸のぜん動運動を刺激する
      ・バリア機能を強化する
      ・悪玉菌の繁殖を抑える

糖化菌

吸入薬

操作が簡単なLABA+ICS
レルベア(エリプタ)はフタを開けて吸うだけ、1日1回1吸入
アドエア(エアロゾル)は吸う力が弱い人でも簡単(呼吸を合わせる必要あり)だが1日2回、1回2吸入がややめんどう

△ディスカスは「カバーを開けて、レバーを回してから吸入する」という、吸入までのプロセスが2段階
エリプタは「カバーを開けて吸入する」という1段階になっており、操作手順が簡便化されている

アドエア、レルベアはリリーバーとしては使用推奨されていない→SABA(メプチン)が第一選択
薬剤料はステロイド量が異なる(LABAは同量)→少ない量から開始
発作時追加吸入が必要→シムビコート(操作がめんどう、若い人向け)
吸入薬は1ヶ月で1個4000~5000円

鎮咳薬

麻薬性中枢性鎮咳薬

コデインリン酸(コデインリン酸)

  • 鎮咳作用は最も強力
  • 呼吸抑制の報告があり小児には禁忌予定(2018年10月現在は12歳未満に投与しないことの注意書き)
  • その他禁忌多数
  • 高頻度で便秘がみられる(下痢に対する適応もある)
  • 作用発現持続時間は4~6時間

非麻薬性中枢性鎮咳薬→メジコンで〇

アスベリン(チペピジンヒベンズ酸)→気道粘膜の線毛運動亢進により去痰作用、副作用ほぼなし、小児も◎
メジコン(デキストロメトルファン)→二重盲検比較試験で鎮咳作用はリンコデと同等、小児は×
アストミン(ジメモルファンリン酸)→鎮咳作用はリンコデ・メジコンと同等以上糖尿病には慎重投与
レスプレン(エプラジノン)→鎮咳作用はリンコデと同等
フラベリック(ベンプロペリン酸)→二重盲検比較試験において鎮咳作用はメジコンと同等以上
フスタゾール(クロベラスチン)

https://www.phamnote.com/2017/08/blog-post_15.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/109/10/109_2109/_pdf

配合剤→咳以外の症状にも有効

フスコデ

(ジヒドロコデインリン酸、メチルエフェドリン、クロルフェニラミン)

カフコデN

(ジプロフィリン、ジヒドロコデインリン酸、メチルエフェドリン、ジフェンヒドラミン、アセトアミノフェン、ブロムワレリル尿素)

セキコデ

(ジヒドロコデインリン酸、エフェドリン、アンモニウム)

市販薬による薬物依存

薬物依存の対象となる市販薬は,主として鎮咳去痰薬,総合感冒薬,解熱鎮痛薬,鎮静薬の4種類である

去痰薬

ムコソルバンとムコダインは作用機序が異なるので併用可能

痰の量を減らしたい→ムコダインが推奨

  • ブロムヘキシンを粘性の低い痰に処方すると逆に痰が出しづらくなることがあるため、粘性が高い痰に処方しますし、カルボシステインのように痰の量を減らすというわけではないので注意が必要
  • 近日本ではブロムヘキシンよりカルボシステインやアンブロキソールが去痰薬の中心になりつつある

血管拡張薬

血管拡張薬(vasodilators)→血管平滑筋に作用して血管を拡張させる作用のある薬

血管作用部位により、使い分けがなされる
 主に冠動脈を拡張させる作用のある薬は、狭心症治療として使用される
 冠攣縮性狭心症に対しては狭心症発作の予防としてCCBが使用される
 PCI非適応の狭心症状に対して長期予防投与するならニコランジル

【血管拡張薬の分類】
硝酸薬
 ニトログリセリン
 硝酸イソソルビド
 ニトロプルシド
 ◎ニコランジルその他の硝酸薬と異なり耐性は生じにくい
カルシウム拮抗薬
ニカルジピンなど
合成ナトリウム利尿ホルモン
カルペリチド

OMIに対する硝酸薬は推奨されない?される?

 現在ではPCIが優先されるのは当然
明らかに心筋虚血がない場合には硝酸薬は推奨されない
虚血があるかどうかわからない在宅診療においてはニコランジル長期投与をしてもよいのではないか
使用する場合にはニコランジル錠5㎎ 3T分3が推奨される

心筋梗塞二次予防に関するガイドライン2018

心筋梗塞慢性期の二次予防としての硝酸薬長期投与の有効性について十分な根拠となる大規模無作為化比較試験はないが,最近の報告では硝酸薬の長期投与が予後を悪化させるという成績は示されていない.

ニコランジルは,前回のガイドラインでは硝酸薬の項に含まれていたが,今回から独立して項目が設けられた.ニコランジルは硝酸薬と比べ,血圧低下や反射性頻脈が起こりにくく,また,硝酸薬にみられる薬剤耐性が生じにくいという点で使用しやすい

  • 硝酸薬:
    • 抵抗血管(小動脈系)よりも容量血管(静脈系)を強く拡張し,体循環においては心臓に対する後負荷よりもむしろ前負荷減少として反映される
    • 冠血管においては細い動脈よりも太い動脈をより効果的に拡張し心内膜血流を改善する
    • 冠動脈スパスムに対しては第一選択薬として用いられる
    • 使用上の注意点として,長時間使用で耐性が生じ作用が減 弱することがあり,また肺動脈のhypoxic pulmonary vasoconstriction (HPV)を抑制して低酸素血症を引き起こすことがある
    • 硝酸薬の分類
      • ニトログリセリン(ミリスロール、ミオコール)
        • 血管拡張作用、血圧低下作用が最強かつ即効性あり
        • ACS急性期治療の第一選択
        • 剤型:注射製剤、スプレー製剤
        • 因みにですが、一般外来に急性心筋梗塞患者が来た場合、集中治療室のある病院に転送する事になるが、 注射剤を準備する時間が無い場合は、ニトログリセリンテープを2枚、前胸部に貼るとおおよそ0.2γのニトログリセリンを注射しているのと同様の効果が得られるとされる
      • 硝酸イソソルビド(ニトロール注、フランドルテープ、錠剤)
        • ニトログリセリンに比べ降圧作用がマイルドでショックをきたしているACSに用いる
        • 一硝酸イソソルビドと二硝酸イソソルビドを区別する必要はない
      • ニコランジル(シグマート)
        • 硝酸薬作用とカリウムATPチャネル開口作用という2つの特徴的な作用で、冠動脈拡張、心筋虚血耐性を高め、狭心症発作を防ぐ
        • シグマート5mg 3T適宜増減で投与する
        • 耐性が生じにくく血圧低下をきたしにくい
https://www.jhf.or.jp/pro/hint/
ニトログリセリンと硝酸イソソルビド(ISDN)の違い
  • 硝酸薬は種類と濃度に応じて、静脈のみ、あるいは静脈と動脈を開く
  • 濃度によっては冠動脈も開く
  • そのほか、血小板凝集の抑制などのメカニズムもあるが、血管拡張以外は期待するほどではない
  • ニトログリセリンは低用量で静脈も動脈もそれなりに開く→血圧が下がる
  • 低用量のISDNは静脈のみ。濃くなれば少しだけ動脈も開く→血圧が下がりすぎる不安が相対的には少ない
  •  一硝酸イソソルビドと二硝酸イソソルビドの両方とも用いられており、前者はアイトロールという商品名で知られてきた
  • 硝酸イソソルビドというときは一般に二硝酸イソソルビドを指すことが多いが肝臓での代謝機転や効果の持続時間の差があるが、現在では区別する意味はない
硝酸薬の耐性について

耐性には2種類あると考えられている。1つは、「偽耐性」と呼ばれるもので、硝酸薬によってレニン・アンジオテンシン系やバソプレシンなどの神経体液性因子が活性化され、そのために血管の収縮や体液量の増加が起こり、耐性が生じるというもの。もう一つは血管平滑筋におけるcGMPの産生が障害されて硝酸薬の効果が減弱する「血管耐性」である。

・カルシウム拮抗薬

アダラート(ニフェジピン)、アムロジン(アムロジピン)、コニール(ベニジピン)、カルブロック(アゼルニジピン)、ジヒドロピリジン系のカルシウム拮抗薬、ヘルベッサー(ジルチアゼム)、ワソラン(ベラパミル)、非ジヒドロピリミジン系カルシウム拮抗薬です。血管拡張作用で狭心症発作を防ぎます。

・その他の血管拡張薬

カタプレス(クロニジン)、アルドメット(メチルドパ)、べハイド(レセルピン)、アプレゾリン(ヒドララジン)、エパデール(イコサペント酸エチル)、プレタール(シロスタゾール)、アンプラーグ(サルポグレラート)、交感神経遮断作用、末梢血管の収縮をブロックすることで血管拡張作用を発揮します。また、一部の抗血小板薬には弱い血管拡張作用があります。

利尿剤

  • 利尿剤選択の際に重要なのは、抗アルドステロン作用を有する方がよいかどうか
    腎機能や血清K値、心不全に対する心筋リモデリング予防の必要性に判断する
  • 図だけ見ると近位尿細管でナトリウムの再吸収阻害薬(アセタゾラミドorSGLT2阻害薬)が最強のように見えるが、実際には遠位でナトリウムの再吸収が亢進(とくにヘンレループでのNa再吸収亢進)するため、利尿効果はわずか
  • ナトリウム利尿薬の利尿作用
    ループ利尿薬>>サイアザイド利尿薬>ミネラルコルチコイド拮抗薬>>炭酸脱水酵素阻害薬、SGLT2阻害薬
  • MRAとACEI/ARBの併用はともに抗アルドステロン作用を増強させ、高K血症がより増悪しやすい(併用注意)

ループ利尿薬

フロセミドはbioavailability(生物学的利用度)の個人差が大きい(10%しか利用されない人もいれば、ほぼ100%利用される人も存在)

腎不全は臓器反応性が保たれる(PK)
 →薬の効果は保たれるが増量が必要
  増量が必要だが、投与回数は1回で良い


ネフローゼと心不全は臓器反応性が低下する(PD)
 →ループ利尿薬の効果が頭打ちになる(増やしても無効)
  増量したうえで、投与回数も頻回にする必要がある→1日3~4回または持続投与

静注での最大有効量は40mg程度(内服の場合は1回80mg)
80mg✕3回投与がフロセミド経口量の最大投与量

経験的に導き出されるそれぞれの疾患におけるフロセ ミドの静注での最大有効量
肝硬変(正常腎機能):40mg
心不全(正常腎機能):40〜80mg
ネフローゼ症候群(正常腎機能):120mg
慢性腎臓病:糸球体濾過量(GFR)の低下の程度に応じて最大有効量は増大していく
 ・中等度のGFR低下:80mg
 ・高度のGFR低下:200mg
 ・乏尿性急性腎障害(AKI):500mg程度まで増量可能

  • ヘンレのループ上行脚にあるNa-K-2Cl共輸送体を阻害+ヘンレのループの濃縮機構を阻害→集合管での水再吸収阻害
  • 他のナトリウム利尿薬に比してGFRの低下を来たしにくい
  • 副作用低K血症、低Mg血症、高尿酸血症、脱水、代謝性アルカローシス聴覚障害(聴力低下や耳鳴り)、水溶性ビタミンの欠乏
  • ループ利尿薬は降圧効果を目的には使用しない(作用時間が短すぎるしRAA系亢進による代償がはたらくため)
  • フロセミド,トラセミド,アゾセミドの違い
    • フロセミド
      • 短時間作用型→ERやICUなどの急性期治療でよい適応
      • 経口薬の生物学的吸収率・効果発現の個体差がとても大きい(その他のループ利尿薬は安定している)
    • トラセミド(ルプラック)
      • ループ利尿薬の作用+アルドステロン受容体拮抗作用
      • 作用時間がフロセミドより長い:8時間
      • 他のループ利尿薬に比し低K血症を起こしにくい
    • アゾセミド(ダイアート)
      • 神経体液因子などへの影響がより少なくRCTでも心血管死や心不全増悪が有意に少なかった
      • 効果が緩徐で(トラセミドよりさらに)持続的:12時間以上
  • ループ利尿薬の使い分け
    • i) HFpEFなどで長時間作用型を使用したい ⇒アゾセミド
    • ii) 抗アルドステロン作用を上乗せしたい,かつ,(アドヒアランスなどの問題で)単剤で済ませたい ⇒トラセミド
    • iii) 他のループ利尿薬を使うとカリウムが低下してしまって,かといって,腎機能に余裕がないからスピロノラクトンを上乗せする気も起きない ⇒トラセミド
    • iii) 急性期 ⇒静注薬がいいのでフロセミド
    • iv) 特に選ばない理由がない ⇒アゾセミド
https://www.marianna-kidney.com/wp/wp-content/uploads/2019/06/2012603.pdf
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チアジド系

チアジド系=トリクロルメチアジド(フルイトラン)一択

低Na血症の頻度がループ利尿薬よりも高い
腎血流量を低下させ腎不全を悪化させうる→進行したCKD(G4以上)には使用しない
→腎不全にはループ利尿薬が安全→腎血流量や糸球体濾過値を減少させない
尿酸値を悪化させる

ループ利尿薬とチアジド薬併用→代謝性アルカローシスをつねに疑う
 NaとClの差を計算し、その値が上がっていないかどうかでモニタリングすることができます
 CKD患者さんはNaとClの差が30程度のこともありますが、36という絶対値からの相対的な変化が重要

  • 遠位尿細管におけるNa-Cl共輸送系の阻害
  • 作用時間が長く(24時間)、降圧剤として使用できる利尿剤
  • 降圧効果の詳細は不明
  • ACEI/ARBとチアジド系の相性はよい(ACEI/ARBによる高K血症を予防する)
https://www.marianna-kidney.com/wp/wp-content/uploads/2019/06/2012603.pdf

チアジド類似薬

  • エビデンスが乏しいためマイナーだが、効果は期待できる
  • ナトリックス2mgとフルイトラン(トリクロルメチアジド)4mgの比較では,ナトリックスの方が収縮期血圧,拡張期血圧とも有意に降圧効果が強いことが明瞭に示されている
  • ナトリックスの初期用量は0.5mgとして処方しているが,十分な降圧効果が得られる

RAA系とMRA(利尿剤というより心・腎臓器保護薬)

アルドステロンの作用

  • アルドステロンは腎臓における尿細管で水分やナトリウムを血管内へ再び吸収(再吸収)させ、血管に流れる血液量を増加させることで血圧を上げる作用をあらわす
  • またアルドステロンは心臓や血管、脳などにも作用し、心筋の線維化や心臓を肥大化する作用、血管の炎症反応などを亢進させる作用、腎臓障害に関わる作用をもつとされ、これらの作用によっても血圧を上げるとされる
アルドステロン・ブレークスルー現象

長期間ACE阻害剤やARBなど薬剤を投与し、一旦低下していた血漿アルドステロン濃度が再び上昇し始める現象
アルドステロン・ブレークスルーが起こる機序は、ATIIがACE以外の経路で産生されるためとされる。
血漿アルドステロン濃度が上昇しても正常上限に留まることも多く、高血圧は起こしにくいものの、臓器障害は進展し易くなる。

アンジオテンシンIIの作用

  • アンジオテンシンⅡは糸球体の輸入細動脈・輸出細動脈の両方を収縮させるが、輸出細動脈を収縮させる作用がより強いため、糸球体血圧は低下せず、GFR を維持することができる
  • RAA系は、本来は全身血圧が低下してもGFR を維持するためのシステム
糸球体保護効果について

CKD→濾過量低下の代償機転として腎血流が増加→糸球体内圧亢進→腎不全の悪化という負のサイクルをきたす
高血圧→腎保護のため輸入細動脈の収縮→糸球体血流低下→RAA系の亢進→CKDと高血圧の増悪

短期的には腎の濾過機能を低下させることになったとしても,積極的降圧療法が,長期的な腎機能悪化を防止するうえで重要視される


糸球体保護には糸球体内圧を下げる必要があるが、その方法として2通りの方法がある
①輸入細動脈を収縮させる
➁輸出細動脈を拡張させる


①→タンパク質制限(CCBは輸入細動脈を拡張させ腎臓にはむしろよくないが高血圧よりはましか?)
➁→RAS阻害薬(アンジオテンシンIIが輸出細動脈を収縮させる)=CKD合併高血圧の第一選択

RAS阻害薬を投与するとようやく糸球体濾過能を維持していたところに輸出細動脈拡張作用が加わるので、導入早期には腎機能悪化、K上昇しうる
目安としてはCre<2.0㎎/dL、K<5.5mEq/LならARB開始することを考慮してよいが高K血症・腎不全対策に利尿剤(ループ利尿薬)を併用した方がよい
それでも高血圧持続するならサイアザイド、CCB、ARNIを検討する

MRA(利尿剤というより心・腎臓器保護薬)

  • 以前はカリウム保持性利尿薬、アルドステロン拮抗薬と呼ばれていた
    →MR(ミネラルコルチコイド受容体)にはアルドステロンだけでなくコルチゾールが結合することもあるし、利尿剤というほどの利尿効果を示すわけでもないので2019年の高血圧治療ガイドラインより名称変更された
  • スピロノラクトン(アルダクトン)、エプレレノン(セララ)、エサキセレノン(ミネブロ)、フィネレノン(ケレンディア)の4種類が存在する
  • 高血圧治療薬としては4番手の位置づけ(ACEI/ARB、CCB、チアジド系が第一選択薬)
  • ACEI/ARBを使用しアルドステロン・ブレイクスルーによる血圧上昇が生じたらMRAを追加する
  • 使い分け
    • スピロノラクトン:第一世代
      • ステロイド骨格を有しMR以外の受容体にも親和性を持つ
      • 適応症:高血圧症、心不全、浮腫、原発性アルドステロン症
      • 腎関連の禁忌は無尿または急性腎不全の患者などで、エプレレノンより投与上の制約は緩い
      • 女性化乳房や多毛といった副作用が起こり得る→若年者には使いづらい
    • エプレレノン(セララ):第二世代
      • ステロイド骨格を有するがアルドステロン受容体に対する選択性が高く、性ホルモン受容体にほとんど影響しない
      • 高血圧症のほか、慢性心不全に対しても保険承認されている
      • 腎機能低下例(Ccr<50、糖尿病で蛋白尿またはアルブミン尿)では添付文書上は禁忌だが、高K血症さえ注意すれば使用できる、Ccr<30ではほんとに禁忌
    • エサキセレノン(ミネブロ):第三世代
      • 非ステロイド型、MRにのみに結合するよう改善したのが第三世代
      • eGFR 30mL/分/1.73㎡まで使用可(eGFR<30は投与禁忌)、糖尿病性腎症による縛りなし
    • フィネレノン(ケレンディア):第三世代
      • 非ステロイド型
      •  適応は「2型糖尿病を合併する慢性腎臓病」のみ(※eGFRが15mL/分/1.73m²未満の患者は投与対象外)
      • MRは腎糸球体、 心臓、 血管等全身に広く発現しており、 過剰に活性化されることで心臓や腎臓の炎症・線維化を引き起こす→ケレンディアはMRに結合することでアルドステロンの過剰な働きを抑制し、 腎臓や心臓に対する保護作用を発揮する

α・β作動薬/遮断薬

βブロッカー

いまや ASO(PAD),COPD,糖尿病はβ遮断薬の禁忌ではなく必要な患者には使う
疾患により使用薬剤が異なる→主な適応疾患は心不全、不整脈、高血圧など

  • 心不全の適応を有するβBは2種類のみ→直接比較試験はないため比較はできない
    • カルベジロール(アーチスト)
      • αβブロッカー(=β1非選択性)のため、喘息禁忌!
      • 脂溶性で肝代謝のため、腎不全でも減量不要
      • 1日2回投与が必要、開始量は2.5㎎/日(重症心不全ではさらに半量から開始)
    • ビソプロロール(メインテート、ビソノテープ)
      • β1選択性のため、喘息でも使用可能
      • 腎排泄+肝代謝のため、高度腎不全では用量調節が必要
      • 1日1回投与、開始量は0.625㎎(重症心不全ではさらに半量から開始)
    • 重度低心機能例には少量カルベジロール、心拍数が80を超える症例にはビソプロロールが向いている
    • 心不全に対してのβBは忍容性のある限り、最大用量を目指す
  • 不整脈→頻拍発作の抑制効果が明らかなもの、発作性不整脈の場合は効果持続時間の短いものが推奨される
    • 分2がよければセロケン®(Tmax1.9時間、半減期2.8時間)
    • 頻拍発作時の頓用ならインデラル®←より作用発現時間が短い(Tmax1.5時間、半減期3.9時間)
    • 慢性頻脈性心房細動の場合はあえて長時間作用型を選択しても良い
  • 高血圧:適応のあるβBは多いが、β遮断薬は高血圧の第一選択薬としては勧めにくいと結論され,日本高血圧学会の高血圧治療ガイドライン 2014 でも第一選択薬から外れた
  • ASO のほうは,α遮断作用のあるアーチストにするほうがよさそうだが,非選択的に動脈拡張作用のβ2受容体も遮断するので,差し引きどうなのかは個々の患者次第
  • 脂溶性β遮断薬は中枢神経移行が認められ、うつ病などの副作用が見られる
  • β遮断は相対的α刺激亢進により,末梢血管抵抗を上げる方向に働く→VSAにβB投与するときは、αβ遮断薬が望ましい
  • 離脱症候群(withdrawal syndrome):
    長期に使用していたβ遮断薬を急に中止すると血圧の著明な上昇や,虚血症状あるいは不整脈が増悪することがある→β遮断作用に拮抗して受容体の数が増加(up‒regulation)したことによると説明されている
  • β1 選択性が高い静注薬ランジオロール(オノアクト®)は喘息患者でも使用可能

心不全合併の気管支喘息治療→プライマリケア メジャー診療科①心不全の項目参照

抗コリン薬

ほぼすべての向精神薬、睡眠薬、抗パ薬、抗ヒスタミン薬、抗不整脈薬、麻薬に抗コリン作用あり

ブスコパン

  • 抗コリン薬はムスカリン受容体(=副交感神経節後繊維の選択的遮断)を遮断して作用を示す
  • 禁忌:閉塞隅角緑内障、下部尿路閉塞(前立腺肥大など)、重症筋無力症など

コリン作動薬

  • コリン作動薬は、アセチルコリンを増やすよりコリンエステラーゼを阻害する方がよほど効率的
  • コリン作動性クリーゼに注意する→投与開始2週間以内、呼吸困難で人工呼吸を要する(=喘息重責発作)

コリンエステラーゼ阻害薬

アコファイド(FD治療薬)

  • コリン作動性クリーゼに関する注意喚起なし→大した効果ないだろう
  • 臨床試験では900㎎分3まで安全に投与できたらしい→常用量300㎎ではプラセボ効果程度だろう

重症筋無力症治療薬

尿路系

  • ウブレチド:
    コリン作動性クリーゼでの死亡例は投与量が10~15㎎だった(5㎎での死亡例なし)
    コリン作動性クリーゼでは、下痢、腹痛、嘔吐、唾液分泌の増加が主な初期症状
    断トツで多いのが下痢の41例(58.6%)、これに腹痛16例(22.9%)、嘔吐15例(21.4%)、唾液分泌過多12例(17.1%)、気道分泌過多11例(15.7%)、食欲不振9例(12.9%)、発汗9例(12.9%)と続きます。

アルツハイマー病治療薬

  • ドネペジル(商品名:アリセプト)
  • ガランタミン(商品名:レミニール)
  • リバスチグミン(商品名:リバスタッチパッチ、イクセロンパッチ)
ブチリルコリンエステラーゼとは?

Butyrylcholinesterase (BChE)は,Acetylcholinesterase (AChE)と同じコリンエステラーゼ群に属する4量体の糖タンパク質です。主に血液,腎臓,腸,肝臓,肺,心臓および中枢神経系に存在します。ブチリルコリンエステラーゼは,ブチリルコリンを優先的に基質としてコリンに加水分解しますが,アセチルコリンも加水分解します。
アルツハイマー病では,コリン作動性ニューロンの変性・脱落が生じます。認知症の症状進行に伴い,アセチルコリンエステラーゼ活性の低下とブチリルコリンエステラーゼ活性の亢進が認められますが,このブチルコリンエステラーゼ活性の亢進は,アセチルコリンエステラーゼ活性の低下により引き起こされると考えられています。また,ブチリルコリンエステラーゼ活性を阻害すると,ブチリルコリンエステラーゼによるβアミロイドの新規生成が減少することが報告されています。そのためブチリルコリンエステラーゼは,病態進行のバイオマーカーや将来的な治療ターゲットとして注目されています。

コリン作動薬

  • コリンエステラーゼ阻害薬は何種類もあるのにコリン作動薬はほんのちょっとしかない

ベサコリン散(ベタネコール)→まず使わなくてよいくすり

  • ムスカリン受容体を直接刺激して排尿筋を収縮させる薬剤
  • コリン作動性クリーゼ以外の注意点としては、気管支喘息や胃潰瘍などが禁忌となっていることベタネコールには散剤しかありませんが、吸湿性が高いのも特徴です(ジスチグミン臭化物も吸湿性が高いですが)。混合する薬剤によっては、湿潤、固結することがあります

抗不整脈薬

アミオダロン

副作用

  • 甲状腺機能異常(最多)
     薬剤開始前に甲状腺機能として,TSH, FT4,FT3,場合によって抗TPO抗体もチェック
     これらのマーカーは,最低でも3−6ヶ月毎にfollow
  • 肝障害
  • 皮膚障害
  • 肺障害
     肺障害の頻度は,0-10%の範囲で報告
     発症したときの死亡率は1-33%の範囲で報告あり
     重症化する可能性を十分に考慮すべきであり認めた場合は,原則アミオダロン中止
     肺障害のリスクとされているのは,60歳以上,投与期間半年以上,男性,COPD,腎不全など
  • 眼障害
  • 低Na血症、SIADH
  • 骨髄機能障害:血小板減少や汎血球減少、溶血性貧血、再生不良性貧血
  • 神経障害:振戦、歩行障害、末梢神経障害、感覚異常、前庭障害、不眠症など
  • 精神症状:せん妄や抑うつ

鎮痛薬

アセトアミノフェンとNSAIDSの違い

アセトアミノフェンは鎮痛・解熱作用を有しており、NSAIDsと同様にCOXを阻害するが、その作用は弱く抗炎症作用はほとんどない

アセトアミノフェンの作用機序は、中枢神経におけるCOX阻害と考えられていますが、詳細な機序は未だに解明されていない

NSAIDSはCOXを阻害することでPGの生成を抑え(抗炎症効果)、痛みや炎症、熱などを抑える作用をあらわす
COX-1は血小板、消化管、腎臓などに常時発現しており、臓器の恒常性維持に必要
COX-2は炎症などで誘導され、血管拡張作用などを有し炎症を促進するPGE2などを合成する

セレコキシブ(セレコックス)

胃潰瘍は減少、腎障害は同等、心血管合併症を増加させる

Coxibsの使用により、非選択的NSAIDsに比べて胃腸障害の発生頻度は減少する。
しかし非選択的NSAIDsに比べて頻度は低いものの、Coxibsによっても胃腸障害が発生する。
COX-2も腎臓や血管内皮には常時発現しており、臓器の恒常性維持に関与しているためCoxibsを使用しても、非選択的NSAIDsに比べて腎障害の発生頻度は減少しない。
血小板凝集作用を示すCOX-1への阻害作用が弱く、血管内皮の恒常性を保つCOX-2を選択的に阻害するため、Coxibsは非選択的NSAIDsに比べて心血管合併症を増加させる危険があると考えられている。
理論上はCOX-2選択性が強いCoxibsほど胃腸障害が少なく血管合併症が多いと思われる。

アセトアミノフェン

解熱・鎮痛作用はあるが、抗炎症作用はない→純粋な対症療法薬(作用機序不明)

通常、成人にはアセトアミノフェンとして、1回300~1000mgを経口投与し、投与間隔は4~6時間以上とする。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日総量として4000mgを限度とする。また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。
本剤により重篤な肝障害が発現するおそれがあることに注意し、1日総量1500mgを超す高用量で長期投与する場合には、定期的に肝機能等を確認するなど慎重に投与すること

  • 剤型:
    • 経口
      • 錠剤→コカール=カロナール
      • 散剤→カロナール
    • 座薬→アンヒバ(50/100/200㎎)=アルピニー(50/100/200㎎)
座薬をカットするとき
https://allabout.co.jp/gm/gc/300964/

座薬のパッケージごと切る方が切りやすい

斜め切りにする理由
→斜めに切ると坐剤が折れにくい
 斜め切りだと、薬剤濃度が不均一であっても、その影響を受けにくいから
 1/2カットにした場合、残り半分も使用しやすい

外用薬

△ジクトルテープ(ジクロフェナク)

ジクトルテープとは、ジクロフェナクナトリウムとして75mgを含む貼付剤(いうなればシップ)を1日1回 1回2枚貼付する製剤

薬効はジクトル3枚=ボルタレン錠25mg4T分4相当の血中濃度(推定)

薬価が高い 1ヶ月で9390円

皮膚障害は少ない(久光製薬) がんの保険適応あり

  • 用法・用量
    • <各種がんにおける鎮痛>
    • 通常、成人に対し、1日1回、2枚(ジクロフェナクナトリウムとして150mg)を胸部、腹部、上腕部、背部、腰部又は大腿部に貼付し、1日(約24時間)毎に貼り替える。なお、症状や状態により1日3枚(ジクロフェナクナトリウムとして225mg)に増量できる。
    • <腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群及び腱鞘炎における鎮痛・消炎>
    • 通常、成人に対し、1日1回、1枚(ジクロフェナクナトリウムとして75mg)又は2枚(ジクロフェナクナトリウムとして150mg)を胸部、腹部、上腕部、背部、腰部又は大腿部に貼付し、1日(約24時間)毎に貼り替える。

◎ロコアテープ

ロコアテープ2枚貼付は、フルルビプロフェン経口剤の標準的な経口投与量(120mg/day)の定常状態と同程度の薬理作用を有している

NSAIDs貼付製剤の鎮痛力価(薬効)としては、ロコアテープ®>ジクトルテープ®という可能性が高い

ロコアテープ®は1枚 41.3円。ジクトルテープ®は1枚 156.5円

やすいが、皮膚障害は多い、がんの保険適応なし

スチックタイプ

フェルビナクスチック

主成分はフェルビナク、無臭

スチックゼノールA

主成分はサリチル酸メチル(NSAIDSよりマイルド)
メントールが入っているのでスーッとするだけの薬

チックゼノールAは底部を押して薬を出し、鎮痛・鎮痒成分を含むため虫刺されにも効果があるが、メントールの臭いがある

貧血治療薬

腎性貧血

治療目標:保存期 CKD 患者の治療目標はHb11~13g/dL→予後が最も良かった

治療薬は2種類 ESAとHIF-PH阻害薬

慢性炎症があるような状態ではESA製剤よりもHIF-PH阻害薬の方が有効

CKD 患者では多くが相対的EPO欠乏→ EPO<50 mIU/mL(ELISA あるいは CLEIA 法)、正常下限を下回らなくても良い
腎性貧血では EPO 産生は抑制されており,CKD 患者では EPO 濃度は基準値に入ることが多い.したがっ
て,EPO の絶対値は産生低下の明確な判断基準にはならず,Hb 値との比較が重要で、CKD 患者では,Hb 値<10 g/dL の貧血が認められるものの EPO<50 mIU/mLであれば腎性貧血として矛盾しないと判断される
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsdt/49/2/49_109/_pdf/-char/ja

腎性貧血とはHbの低下に見合った十分量のEPOが産生されないことによってひき起こされる貧血

CKD 症例では腎血流量低下によって組織への酸素供給は低下しているが,同時に尿細管障害によって局所の酸
素消費量も低下しているため,最終的に尿細管周囲の酸素分圧は比較的保たれることが多いと推測されている.その場合,低酸素に反応した EPO 産生刺激は不十分となるため,何らかの理由で Hb 値の低下が発生すると EPO 増加による貧血からの回復フィードバックが十分にかからず,貧血状態が持続することになる.このように Hb 値の低下に見合った十分量の EPO が産生されない(相対的欠乏)ことで顕在化する貧血が腎性貧血の本質と考えられる.

保存期腎不全の明確な定義はない

腎代替療法に向かう途中の、腎機能がある程度以上悪くなった状態のことを保存期腎不全と呼びます。明確な定義はありませんが、様々な合併症を引き起こすCKDステージ3から5の腎代替療法開始前までを指すことが一般的で、目安としては健康な方の半分以下の腎機能に相当します。

GFRで59未満に相当する

ESA製剤

ダルベポエチン 30μg=2201円

投与方法:

初回用量:
 通常、成人にはダルベポエチン アルファ(遺伝子組換え)として、2週に1回30μgを皮下又は静脈内投与する。
維持用量:
 貧血改善効果が得られたら、通常、成人にはダルベポエチン アルファ(遺伝子組換え)として、2週に1回30〜120μgを皮下又は静脈内投与する。2週に1回投与で貧血改善が維持されている場合には、その時点での1回の投与量の2倍量を開始用量として、4週に1回投与に変更し、4週に1回60〜180μgを皮下又は静脈内投与することができる。

HIF-PH阻害薬

多価陽イオン含有製剤 (鉄、アルミニウム、Mg、Ca) やリン吸着薬と併用することで血中濃度が大きく減少する

妊婦以外の禁忌はない

HIF-PH阻害薬の血栓塞栓症の頻度は、
バフセオ4.2%
エベレンゾ2.3%
ダーブロック0.8%→シェア率54.9%
エナロイ0.7%


脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓、悪性腫瘍、糖尿病性網膜症の既往がある患者には使えない
4週に1回は採血でHbチェックが必要


副作用として血圧上昇する

ダーブロック

抗生剤

抗生剤まとめ

在宅でも使いやすい抗生剤

内服薬:
 オーグメンチン
 フラジール→嫌気性菌(バクテロイデス)カバー
 LVFX→肺炎球菌、緑膿菌、非定型肺炎にも有効
 モキシフロキサシン(アベロックス、ベガモックス)→嫌気性菌カバー
注射薬:
 ロセフィン(緑膿菌、嫌気性菌以外の市中肺炎)
 バンコマイシン(すべてのグラム陽性菌)

感染症のfocusに限らず、MRSA、緑膿菌、腸球菌、嫌気性菌のカバーを行うかどうかは常に判断する

頻用抗生剤と腎障害

オーグメンチン

殺菌作用と至適投与回数

感染Focus別の推奨エンピリック療法

https://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/shinryo/kansen/data/luncheon_2020_04.pdf

アミノグリコシド系 VCM/TEICなど

  • 作用機序:細胞壁に作用
  • スペクトラム:
    グラム陽性菌にのみ有効.MRSAに有効
    グラム陽性菌は基本的に全て有効だがMSSAには標準治療の方が活性が高い
  • 副作用:
    • 急速投与でRed man症候群→アレルギーでないのにアレルギーと勘違いしてしまう
    • 腎障害はトラフ値に依存して発症する→血中濃度モニタリングが必要
    • バンコマイシン VCM 注射と経口の差に注意
  • 投与方法:
    • 1日1~2回(1回投与量は1.0g以下に)

ペニシリン系

腸球菌→ABPCまたはAMPC
横隔膜上の嫌気性菌→PCGでOK
横隔膜下の嫌気性菌(バクテロイデス)→AMPC/CVA(オーグメンチン)、ABPC/SBT(ユナシン)

https://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/shinryo/kansen/data/luncheon_2020_03.pdf

セフェム系・カルバペネム系

第一世代経口セフェム

ケフレックスとケフラールの違い

純粋な第一世代経口セフェムはCEX(ケフレックス)のみ
アナフィラキシーショックの発生率は,CCL 0.05%>>CEX 0.0041%=ABPC 0.0048%
ケフラールは処方するべからず→半減期0.5時間しかない、アナフィラキシー多い

CTRX

点滴薬の三世代のセフェムを絶対に使うポイント
細菌性髄膜炎や急性喉頭蓋炎といった命にかかわる感染症

腎機能低下でも減量なしで使えるは大嘘!!!副作用の頻度が増加するため慎重投与
投与後24時間の尿中排泄率は約50%

高齢者の場合は腎機能低下、低アルブミン血症も相まって24時間に1g1回の静注でも効果が期待できる可能性

  • 使用における注意事項:
    • 偽胆石
      胆道疾患の既往は禁忌には当たらないよう
      セフトリアキソンを成分とする胆石、胆嚢内沈殿物が投与中あるいは投与後にあらわれ、胆嚢炎、胆管炎、膵炎等を起こすことがあるので、腹痛等の症状があらわれた場合には投与を中止し、速やかに腹部超音波検査等を行い、適切な処置を行うこと。なお、多くの症例は小児の重症感染症への大量投与例でみられている。
    • カルシウムとの混合禁忌→結晶化する
    • 髄液移行性が良好
      髄膜炎にも使用可能
      意識障害(意識消失、意識レベルの低下等)、痙攣、不随意運動(舞踏病アテトーゼ、ミオクローヌス等)があらわれることがある。これらの症状は、高度腎障害患者での発現が多数報告されている
    • 高度の腎機能障害患者は、血中濃度を頻回に測定できない場合には投与量が1g/日を超えないようにする
低アルブミン血症と抗生剤の関係性

抗微生物薬を含めた多くの薬物の分布容積とクリアランスは,タンパク結合率に影響を受ける。
アルブミンとの結合率の高いことで知られている抗生剤
セフトリアキソン(約95%
テイコプラニン(約90%)
ダプトマイシン(約90%)
イトラコナゾール(約99%)
などは,低アルブミン血症で血中濃度が増加しやすい。
セフトリアキソンは,低アルブミン血症の際には,1日1回の投与量を3分割して投与すると良い。
一方,タンパク結合率が低いメロペネム(約2%)などは,低アルブミン血症に血中濃度が影響されにくいため,腎機能が維持されている際には分布容積増大に対して増量する必要がある。

経口抗生剤の生体内利用率

日老医誌 2011;48:451―456

クラビット 98%→内服薬でも静注なみの治療効果が期待できる

アモキシシリン、第1世代セフェムは90%以上

第3世代セフェム=投与量のほとんどがウンコになる 
メイアクト16%、セフゾン25%、バナン45%、フロモックスは記載なし

評価??ファロペネム(ファロム)

ペニシリンのGPCスペクトラム+セフェムのGNRスペクトラムを併せ持った薬
バイオアベイラビリティ不明
腸球菌、緑膿菌(?)、バクテロイデスにも有効だが尿中移行率がわずか5%
→CAUTIには使用しにくい(→経口NQやバクタの方がよい)
下痢しやすいので同時にミヤBM処方する

  • βラクタマーゼに安定
  • 腎排泄型
  • 適応菌種:
    ファロペネムに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属肺炎球菌腸球菌属、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス・ミラビリス、インフルエンザ菌、ペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス属、プレボテラ属、アクネ菌
  • 適応症:
    表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、乳腺炎、肛門周囲膿瘍、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、精巣上体炎(副睾丸炎)、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、涙嚢炎、麦粒腫、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、外耳炎、中耳炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎

第3世代セフェム系抗菌薬の経口薬

bioavailabilityが低く第3世代セフェム系抗菌薬の経口薬は基本的に使用しない
→腸管吸収率は第3世代メイアクトが16%、セフゾン25%、バナンが45%、第1世代は90%以上
日本ではよく処方されてしまっている抗菌薬の代表例だが、基本的に外来で処方する場面はない

カルバペネム系

ST合剤(バクタ=バクトラミン=ダイフェン)

ST合剤の特徴:
バクタの生体内利用率は98%と驚異的!
腎臓や肺への移行が良好
慢性的な吸器疾患や膀胱炎に対して、少量を長期に用いることがある
有害事象(血液毒性)のため一般的な抗生物質が効かない場合などに第二、第三選択枝として利用される
飲み合わせに注意する薬がたくさんある→ワーファリンなど多数

◎推奨される感染症:
市中感染で問題となるグラム陰性菌(大腸菌,クレブシエラ,インフルエンザ桿菌,モラキセラ)に活性があり,グラム陽性菌も肺炎球菌および黄色ブドウ球菌にも効果がある
複雑性尿路感染症および下気道感染症によい適応

×投与無効:
連鎖球菌と嫌気性菌に活性がない
複雑性皮膚軟部組織感染症(血流不全や糖尿病性足病変)ではクリンダマイシンを併用して治療を行う

NQ:ニューキノロン

最新のNQはラスビック→腎機能による減量不要、耐性化しにくい
体内動態に優れているのがキノロン系薬の大きな特徴で、NQにおいては経口薬=静注薬
キノロン系抗菌薬は「レジオネラ感染症以外は基本使用しない」の心がけ
→耐性化されやすい問題、結核に部分奏功し診断が遅れる
NQ+NSAIDsは併用禁忌!!!
小児・妊産婦には禁忌
QT延長作用 *抗不整脈薬や抗精神病薬などとの併用に注意(QT延長はこちらを参照)
Mg,Fe,Ca,Zn,H2RAとの併用で効果減弱(具体的には酸化マグネシウム、鉄剤など)
Warfarin作用増強
まれな副作用にアキレス腱断裂がある

  • 経口キノロン系薬の投与後の吸収性は極めて良好であり、高い血中濃度と高い組織移行性を示して、注射用キノロン系薬とあまり変わらない成績
  • 新しい薬剤ほど血中濃度は高く、血中半減期も10時間以上のものが多くなっており、1日1回投与の可能な薬剤が多くなっていると共に、PK-PD理論で示される濃度依存型の抗菌薬としての特長や使い方を具現化している
  • 体内の各組織への移行率も高く、上気道を含む呼吸器や喀痰、耳鼻咽喉科領域の組織、好中球などの貪食細胞への移行は、β-ラクタム薬に比べて格段に良好
  • キノロン系薬の多くは腎尿路系から排泄されるが、MFLXとSPFXは肝胆道系からの排泄が多くて尿路感染症の治療には不向き、TFLXとGRNXは、2つの排泄経路から同程度に排泄される
  • 耐性化の問題:
    • グラム陰性菌では腸内細菌群の肺炎桿菌、プロテウス・ミラビリスと特に大腸菌で耐性化が進行しており、施設間で差はありますが、キノロン耐性大腸菌の分離頻度が50%前後に達しているところも見られる
    • キノロン耐性と同時にβ-ラクタマーゼ、特に基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)の産生も多くみられ、キノロン系薬の使用を困難にしている
    • 緑膿菌でのキノロン耐性化も進行しており、20%以上というところが多い
    • キノロン系薬はかつて淋菌感染症の第一選択薬であったが、近年のキノロン耐性率は80%を超え、もはや第一選択としては使えない
  • シプロキサンなどの古いキノロンは肺炎球菌には効かない
  • レスピラトリーキノロン:
    • 1990年以降に開発された肺炎球菌への抗菌活性を高めたNQ
    • 呼吸器領域、耳鼻科領域、眼科領域(点眼等の外用が多い)、消化器領域、尿路系、婦人科領域、皮膚科領域などほとんどすべての領域の感染症に適応を有する
    • トスフロキサシン(TFLX)
    • レボフロキサシン(LVFX)
    • スパルフロキサシン(SPFX)
    • ガチフロキサシン(GFLX)
    • モキシフロキサシン(MFLX):嫌気性菌カバー
    • ガレノキサシン(GRNX)
    • シタフロキサシン(STFX)
    • ラスクフロキサシン(LSFX):ラスビック、最新
呼吸器系感染症にはNQは良い適応、UTIには?

UTIの場合、基礎疾患の有無により起炎菌が異なる

単純性膀胱炎/腎盂腎炎では70~80%が大腸菌、15%がその他の腸内細菌、5%がブドウ球菌
エンピリック治療→◎ケフレックス、◎オーグメンチン、×セフゾン(生体内利用率25%)
第2選択
LVFX(クラビット) 1回500mg 1日1回 7-14日間 
CPFX(シプロキサン)  1回200mg 1日3回 7-14日間

➁複雑性膀胱炎/腎盂腎炎/カテーテル関連→グラム陰性桿菌に加えてブドウ球菌、腸球菌もカバー

緑膿菌もカバーするならLVFX
バクタも選択枝
無症候性細菌尿の場合は治療しない
カテーテル関連尿路感染症(CAUTI)→老年医学・在宅診療のページ参照

経口抗生剤で治療するならバクタやファロムも選択肢(→緑膿菌を含むGNRにも有効)

テトラサイクリン

ドキシサイクリンもバイオアベイラビリティが優れる
グラム陽性菌の肺炎球菌とブドウ球菌
グラム陰性菌ならインフルエンザ桿菌とモラキセラ,その他でレジオネラ,肺炎クラミドフィラに有効
市中肺炎および COPD 急性増悪の治療に用いることができる
有効に使用するために最初の 3 日間倍量でローディングすることが必須

中枢性筋弛緩薬

ミオナール、アロフト、リンラキサー→作用が比較的穏やかで最初から一定量を投与する
テルネリン、リオレサール(=ギャバロン)→作用が強く少量から開始して漸増する

抗不安薬(BZ系)も筋弛緩薬として使用することもある

大脳,脳幹,脊髄の単シナプス・多シナプスに作用し抑制することで,筋弛緩をもたらす薬剤のことである.

末梢性筋弛緩薬
 外科的手術時に筋弛緩を得るために全身麻酔薬と併用されることが多い
中枢性筋弛緩薬
 痙性麻痺などに対する筋弛緩の目的で使用される.

痙性麻痺をきたす原因には,脳血管障害や脊髄障害などによる中枢神経系の器質性疾患が多い.上位運動ニューロン症候群(upper motor neuronsyndrome)では,痙直のほか,反射亢進,病的反射の出現,クローヌス,巧緻運動障害がみられる.中枢性筋弛緩薬は患者が最も困る上位運動ニューロン症候群の症状のうち,巧緻運動障害の改善には効果がないので,治療にはおのずと限界がある.つまり,手指の細かい運動,例えば箸を使ったり,手紙を書いたり,編み物をしたり,料理で食材を細かく切ったりする緻密な運動は,筋弛緩薬で痙直をとっても必ずしも改善しないので,薬効には限度があることを知ったうえでこれらの薬を使う必要がある.

  • ミオナール(エペリゾン塩酸塩
    • 副作用:発疹、眠気、嘔吐、食欲不振、脱力感、ふらつき、全身倦怠感
    • 服用方法:食後、成人1日/1回1錠(※主成分エペリゾン塩酸塩50mg)×3回
  • テルネリン(チザリニン塩酸塩)
    • とくに腰痛に効果が高いとされ、ミオナールと比較した研究ではテルネリンの方が有用性が高かった
    • 中枢におけるα2受容体に作用し、筋弛緩作用をあらわす
    • 多シナプス反射を抑える作用が強く、単シナプス反射を抑える作用は弱い
    • 有効成分チザニジンにより、緊張による筋肉のつっぱりやこわばりを抑えます。
    • 副作用:眠気、脱力感、けん怠感、めまいやふらつき、吐き気、食欲不振、腹痛、発疹、蕁麻疹など
    • 服用方法:食後、成人1日/1回1錠(※主成分チザニジン1mg)×3回
  • ギャバロン、リオレサール(バクロフェン)
    • とくに脳性麻痺や脳卒中の後遺症などの治療に使われる
    • バクロフェンは多シナプスと単シナプス反射を抑える
    • 副作用:眠気、ふらつき、吐き気、食欲不振、脱力感
    • 重篤な副作用:服用量が多い・急な服用中止による、幻覚、興奮、うつ、けいれんなど
    • 服用方法:食後、成人1日/1回1錠(※主成分バクロフェン5mg~15mg)×1回~3回
    • ※ここからスタートし、2~3日ごとに1日5mg増量していく
  • リンラキサー(クロルフェネシン)
    • 脊髄などに作用し筋弛緩作用をあらわす
    • 主に変形性脊椎症、椎間板ヘルニアなどの運動器疾患に伴う有痛性痙縮に使用する
    • 多シナプス反射だけを抑えるため、ほかの薬と比べて副作用が少ない
  • アロフト(アフロクアロン)
    • 多シナプスと単シナプス反射の2つを抑える中枢性筋弛緩薬
    • 肩こり、五十肩、腰痛、手足のこわばり、痺れ、けいれん、緊張による頭痛などに効果的
    • 副作用:発疹、脱力感、ふらつき、めまい、眠気
    • 服用方法:食後、成人1日/60mg(3錠)を3回に分けて服用
    • ※年齢・症状により増減

ビタミン・ミネラル

葉酸:フォリアミン

4. 効能または効果

(1)葉酸欠乏症の予防および治療
(2)葉酸の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、妊産婦、授乳婦など)
(3)悪性貧血の補助療法
(4)吸収不全症候群(スプルーなど)
(5)下記疾患のうち、葉酸の欠乏または代謝障害が関与すると推定される場合
・栄養性貧血・妊娠性貧血・小児貧血・抗けいれん剤、抗マラリア剤投与に起因する貧血
(6)アルコール中毒および、肝疾患に関連する大赤血球性貧血
(7)再生不良性貧血
(8)顆粒球減少症
(5)の適応に対して、効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。

6. 用法及び用量

葉酸として、通常成人1日5〜20mg、小児1日5〜10mgを、2〜3回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。一般に消化管に吸収障害のある場合、あるいは症状が重篤な場合は注射をおこなう方がよい。

ビタミンC(アスコルビン酸):ハイシー、ビタシミン

4. 効能または効果

(1)ビタミンC欠乏症の予防及び治療(壊血病、メルレル・バロー病)
(2)ビタミンCの需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、妊産婦、授乳婦、はげしい肉体労働時など)
(3)下記疾患のうち、ビタミンCの欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合
・毛細管出血(鼻出血、歯肉出血、血尿など)
・薬物中毒
・副腎皮質機能障害
・骨折時の骨基質形成・骨癒合促進
・肝斑・雀卵斑・炎症後の色素沈着
・光線過敏性皮膚炎

(3)の適応に対して、効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。

6. 用法及び用量

<ビタシミン注射液100mg>

アスコルビン酸として、通常、成人1日50〜2,000mgを1〜数回に分けて皮下、筋肉内又は静脈内注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

ビタミンE:ユベラまたはユベラN

保険適応が若干異なる

4. 効能または効果

(1)ビタミンE欠乏症の予防及び治療

(2)末梢循環障害(間歇性跛行症、動脈硬化症、静脈血栓症、血栓性静脈炎、糖尿病性網膜症凍瘡、四肢冷感症)

(3)過酸化脂質の増加防止

(1)以外の効能については、効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきではない。

6. 用法及び用量

通常、成人にはトコフェロール酢酸エステルとして1回50〜100mgを、1日2〜3回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

カリウム製剤

インスリン製剤

ヒトインスリン製剤とインスリンアナログの違いは?

漢方薬

甘草

  • 甘草の 1 日限度量は 7.5g(グリチルリチンとして 300mg)と言われています
  • 芍薬甘草湯1pにはカンゾウ2.0g含まれている
  • 偽性アルドステロン症→カンゾウの中止+スピロノラクトンを使用する
甘草が含まれる代表的漢方薬

抑肝散:2包(3.75g)にカンゾウ0.75g→低K血症になったら中止

半夏瀉心湯と半夏厚朴湯

https://www.showa-u-kt-ddc.com/ddc-kt-wp/wp-content/uploads/cm01.pdf

生薬の副作用

マオウ(麻黄)
 心臓を刺激するため高血圧・狭心症・不整脈の持病のある人には要注意。前立腺肥大の人は尿が出にくくなる

カンゾウ(甘草)
 むくみ・高血圧・筋肉痛などの症状が出る
 とくに甘草を大量に含む方剤や、甘草を含む方剤を併用した場合には注意が必要

ケイシ(桂枝)やニンジン(人参)
 発疹のでる場合がある

サイコ(柴胡)とオウゴン
 間質性肺炎・薬剤性肝障害や膀胱炎をおこす例がある

サンシシ(山梔子)
 腸間膜静脈硬化症の報告があった

 副作用とまぎらわしいものに「瞑眩(めんげん)」があります。漢方薬が効果を現すまえに、一時的に体調が悪化したり予期せぬ症状(一時的高熱、下痢、湿疹など)がでる現象です。この場合は薬をそのまま続けていればすぐに症状は消失します。

 いずれにせよ、体調の異変に気づいたら、すぐ主治医にご相談くださるのが安全です。
また、副作用とは異なりますが、妊娠初期(第12週頃まで)は漢方といえども薬を避けるにこしたことはありません。妊娠中期以降は比較的安全に使用できますが、早産・流産の危険性があるダイオウ(大黄)、ボウショウ(亡硝)、トウニン(桃仁)、ボタンピ(牡丹皮)、コウカ(紅花)、ゴシツ(牛膝)などの生薬を含む処方は慎重であるべきだとされています。

  • 麻黄を含む方剤:葛根湯、小青竜湯、麻黄湯、麻杏甘石湯、麻黄附子細辛湯 など*甘草を大量に(3g/日以上)含む方剤:小青竜湯、人参湯、芍薬甘草湯、甘麦大棗湯 など*桂枝を含む方剤:葛根湯、柴胡桂枝湯、五苓散、小青竜湯、桂枝茯苓丸、麻黄湯、桂枝加芍薬湯、小建中湯 など*人参を含む方剤:小柴胡湯、半夏瀉心湯、人参湯、補中益気湯、六君子湯十全大補湯、大建中湯 など*柴胡と黄ゴンを含む方剤:小柴胡湯、大柴胡湯、柴胡桂枝湯、などの柴胡剤*山梔子を含む方剤:黄連解毒湯、加味逍遥散 など*妊娠中は投与に慎重であるべき方剤:桂枝茯苓丸・大黄牡丹皮湯・桃核承気湯などの活血駆瘀剤、潤腸湯・麻子仁丸などの緩下剤 など

免疫賦活・抗腫瘍効果・補剤(十全大補湯と補中益気湯)

  • ニボルマブの国際共同研究等で漢方薬などのハーブの使用が禁忌になっていることからも、世界的に漢方(or herbal medicine)が免疫チェックポイントに関係する(影響する)と認識され始めている
  • 補剤は,「臨床的に,消化吸収 機能賦活と全身の栄養状態改善を通じて,生体防御機能を回復させ,あるいは免疫能を賦活して,治癒 促進をはかると推定される処方群」と定義される .
  • 補剤の特徴は「治癒機転に向かおうとしているエネルギーが不足しているときに,これを補う方向に導く方剤で,消化管機能を高め,栄養状態を改善しそれによって免疫機能を高めて生体防御作用を強化し,生理機能を回復させるところにある」
  • 十全大補湯は気虚(気が不足した病態) と血虚(血が不足した病態)のいずれの病態にも作用する補剤で,特に高齢者や担癌患者で貧血を伴うような症例でその効果が期待できる.
  • 補中益気湯は気虚(気が不足した病態)に用いられ,気が減衰した周術期患者の免疫賦活,特に感染性合併症の軽減に有用であることが示唆 されている.
  • 化学療法と併用してもよい
  • 十全大補湯:マクロファージを活性化する
    • 増加していた免疫抑制性 T 細胞が減少し,CD4/CD8細胞比が増加し NK 細胞数も増加する傾向を認め,抗腫瘍免疫力を高める
    • マクロファージを介してマウスの肝転移モデルにおいて転移を抑制する
  • 補中益気湯:NK細胞を活性化する
    • 外科手術により惹起される術後の免疫抑制状態(NK 細胞数や NK 活性の低下や IL6レベル高値)を改善
    • 担癌マウスの免疫抑制状態(リンパ球減少,腫瘍特異的 Th1サイトカイン産生)を改善し抗腫瘍効果を高める
  • 人参養栄湯:マウスモデルを用いて,腫瘍ワクチンと相乗的に CD8陽性 T 細胞を介した抗腫瘍効果を発揮する

※逆に免疫寛容に作用する漢方もある(柴苓湯,当帰芍薬散や四逆散など)

十全大補湯の効果
  • 免疫能改善効果
  • 基礎研究で筋委縮を抑制→周術期のサルコペニア予防効果?
  • 術後の蛋白異化亢進を抑制

精神症状に有効な漢方薬→スタンダードなし

https://cocoromi-mental.jp/cocoromi-ms/other/herbal/dep-kanpo/
  • 半夏厚朴湯:
    不安感や緊張感・イライラ・抑うつ・不眠・神経性の動悸等の症状に効果がある。特に不安症状で喉の詰まったような感じ、喉が圧迫されるような感じがある時によく使うためパニック障害の治療に使い易い。
  • 酸棗仁湯(さんそうにんとう):
    昔から睡眠薬として使われ精神を落ち着かせ、安らかに眠りを誘う働きがある。思い悩んで眠れないタイプの不眠症に適しており一日数回服用する。
  • 加味逍遙散(かみしょうようさん):
    冷えのぼせ・生理不順・更年期障害等に用い、自律神経失調に伴う不安・不眠・イライラ等の症状と肩こり・頭痛・頭重・上半身の熱感・下半身の冷え等の症状を和らげる。女性の精神神経症状に効果があり。
  • 抑肝散(ヨクカンサン):
    神経の高ぶりを鎮める薬で、イライラ感や不眠等のメンタル症状の他、赤ちゃんの夜なき・ひきつけ等に使われる。体への負担が少ないため、最近は高齢者のイライラや不安感等にも使用され、全年齢層に使える薬。

芍薬甘草湯

本来の用法・用量:
通常、成人1日7.5gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
効果持続時間は、4~6時間
即効性があるため頓用でもOK(6分で作用すると言われている)
その効果は、横紋筋に限らず、平滑筋いずれにも有効→こむら返りばかりでなく腹痛の特効薬
生理痛や尿管結石、時にしゃっくりなどにも効果を発揮します。
芍薬に含まれるペオニフロリンという成分は、筋肉が収縮するために必要なCa2+の細胞内流入を抑制し、結果として筋肉の収縮を抑えると考えられています。 さらに、甘草に含まれるグリチルリチン酸は、K+の細胞外流出を促進することで神経筋シナプスのアセチルコリン受容体を抑制し、結果として筋弛緩作用を発現すると考えられています。
芍薬甘草湯で効かない場合はどうするか?カルニチン不足か、Ca不足の可能性が考えられる。

整腸剤の種類と適応

  • 生菌整腸剤と生薬整腸剤がある
  • 生菌整腸剤は混合整腸剤がよい(可能性がある程度のエビデンスレベル)
  • 生薬 下痢→五苓散、 便秘→大黄甘草湯、大建中湯
  • 耐性乳酸菌製剤は増殖速度が遅く、完全耐性でもない
  • カンゾウ→偽アルドステロン症に注意(浮腫、体重増加、低K血症)
  • ダイオウ→大腸メラノーシス、薬剤耐性
  • 大建中湯はダイオウ含んでおらず耐性少ない(?)
  • IBD(UC,CD)→ビオスリー+大建中湯(粘膜保護+血流増加)
  • 大建中湯には腸蠕動亢進+血流増加作用があり術後腸管機能不全に有効

頻用薬

  • こむらがえり:芍薬甘草湯
  • かぜ:葛根湯
  • 鼻炎/花粉症:小青竜湯
  • ◎乾性咳嗽:麦門冬湯(29)、より強力な滋陰降火湯(93)
  • 八味地黄丸≒牛車腎気丸
  • 婦人科三処方(生理痛、更年期、冷え性):当帰芍薬散≒加味逍遥散≒桂枝茯苓丸
  • 感冒後の不定愁訴:柴胡桂枝湯(実証)
センナとダイオウ(大黄)
  • ともに刺激性下剤として認識されるが、その作用はセンナ>ダイオウ
  • センナは漢方薬ではなく、西洋のハーブの一種で葉を利用する。
  • センナという植物の実や葉には「センノシド」という成分が含まれてい
  • センナは大黄に比べて清熱、消炎、抗菌作用が弱く、腹部の実熱炎症に用いることは少ない。 一過性の緩下剤としては大黄より優れる。 性は寒であるが、これまで支障をきたしたことはない。 ただし使用量をどんどん増量しなければならなかったり、あるいは粉末で3g以上も用いなければならない場合は中止した方がよい。
  • ダイオウは漢方の生薬で根茎を使用する。
  • いずれも連用すると耐性が増す(ピコスルファートが耐性化少ない)。
  • アントラキノン系下剤にはセンナ、アロエ、大黄(ダイオウ)、カスカラ、キャンドルブッシュがあり、この種類が大腸メラノーシスの原因となる(メラノーシスは可逆性変化)。
  • ジフェノール系下剤にはピコスルファートナトリウム、ラキソベロン、ピコラックス、ビオフェルミン便秘薬、があり、アントラキノン系と比較して作用はマイルド
  • 便秘治療の効能がある漢方薬で大黄が含まれていないのは、大建中湯だけ
  • 防風通聖散も大黄が含まれていて、その下剤作用で排便があり体重が減ると「痩せた」と錯覚させられる
麦門冬湯

燥と湿

乾燥する季節に増悪する乾性咳嗽には気道に潤いを与える必要がある→麦門冬湯などが有効

逆に湿性咳嗽では、炎症があると考え抗炎症作用や去痰作用を有する漢方がよい

神様T先生は麦門冬湯は6P分3で飲んでも大丈夫と仰せられた
コデインを乾性咳嗽に使用するとさらに乾燥を増悪させ喀痰排出不良となりあわや窒息寸前という症例もいたという

点眼薬

緑内障

1日1滴→1本で1ヶ月

人工涙液

医薬品
 ヒアレイン
 人工涙液マイティア
OTC
 

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/column/soudan/201902/559756.html

ドライアイ

ジクアスLX→1回1滴、1日3回 1本1000円 でOK
 (ジクアスはヒアレインよりも有効だが点滴回数が6回だった→ジクアスLXは3回でOK)

ヒアレインも使用可

ドライアイの原因は?

1)加齢→60歳以上の約7割がドライアイ
2)マイボーム腺機能不全(MGD)
3)パソコンなど電子機器の使用→まばたきの回数が減少(パソコン作業中は1/4程度に減少)
4)コンタクトレンズの装用→コンタクトレンズ使用者の約8割が目の乾燥を自覚
  ソフトレンズは、水分を吸収しやすいため、目の表面の涙が奪われる
5)白内障の手術後やレーシック手術後→白内障や近視矯正手術(レーシック)の手術後に起きる炎症などによりドライアイが生じることが知られています。
6)その他→エアコンは空気が乾燥させ、涙が蒸発しやすくなります。その他、夜型生活へのシフト、運動不足などのライフスタイルも影響していると言われています。

内服における注意事項

食前内服のくすり

  • アコファイド
  • アルロイドG(空腹時)
  • 酸化マグネシウム(食前または食後)

外用薬

  • 内服以外のすべてが外用薬
  • コーワ軟膏、コーワクリーム→コーワ=興和、すべて興和の商品名につくだけ、意味はない

レスタミン

お役立ちサイト

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