恐れずやろう!心肺蘇生とAED

みなさんは街の中で自動体外式除細動器(AED)をみかけたことがありますか?
右写真が実際のAEDです。
AEDはA:Automated(自動化された)、 E: External(体外式の)、 D:Defibrillator(除細動器)の略です。

ではAEDはどういうときに、どう使用するのでしょうか?

  • AEDは致死性不整脈を止めるための電気ショック(除細動)を行う器械
  • 使用方法は電源を入れ音声ガイダンスに従って操作するだけ(60秒程度)
  • 心電図解析や電気ショックはすべて自動で行われる

AEDを使用すべき最大の理由はズバリ、「救命できる確率が圧倒的に高くなる」からです。
心停止で倒れて3~5分以内にAEDが使用できれば70%近く救命可能ですが、10分を経過すると低酸素脳症により救命はほぼ難しくなります。救急車の出動要請から現場到着まで平均で8.6分かかるとされており、救急隊到着まで何も処置を施されず病院搬送しても残念ながらすでに手遅れです。現場のみなさんによる心肺蘇生、AEDの使用が大切です。

自分の目の前に意識がない人が倒れていたら、救急車を呼ぶのと同時にすぐにAEDをとってきてください。そして脈や呼吸を確認し心肺停止であれば心臓マッサージ、人工呼吸器を施します。AEDの準備と心肺蘇生は同時並行して行います。心肺停止を中断していいのは心電図解析と電気ショックのタイミングだけです。難しいとお感じになるかもしれませんが、そのあたりもすべて器械が音声ガイダンスで指示をくれますのでご安心を(^^♪ (心肺蘇生についてはまた別の機会にお話しします)

趣味でランニングをする方が増えていることは大変素晴らしいのですが、実はマラソン大会中の心肺停止は頻繁に発生しています。例えば2009年の東京マラソン中に急性心筋梗塞で倒れた松村邦洋さんは約7分の胸骨圧迫後にAEDを使用し心拍が再開したそうです。現在後遺症もなく社会復帰され、AEDの使用が救命につながりました。

自宅周辺や職場周辺のどこにAEDが設置されているか、 見かけたときにちょっとだけ頭の隅っこにとめておくと何かの役に立つときがあるかもしれません(本当はそんな機会はない方がいいんですけどね)。

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この記事を書いた人

たけしのアバター たけし アラフォー外科医

40歳を過ぎ、人生に焦りを感じ始める
自分がすべきことを探求した結果、健康に関する情報発信を始める
妻の経営する弁当屋のホームページも担当

将来の夢は自分のクリニックをひらき元気な高齢者を増やすこと

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