Effects of tranexamic acid on death, disability, vascular occlusive events and other morbidities in patients with acute traumatic brain injury (CRASH-3): a randomised, placebo-controlled trial.
CRASH-3 trialの結果がLancet. 2019 Novに掲載されました。
頭部外傷後3時間以内の急性期外傷性脳損傷患者(GCS≦12もしくは頭蓋内出血を有する症例で頭部以外に出血を認めない症例)9202例を対象に、止血剤のトラネキサム酸投与の有効性を無作為化プラセボ対照試験で検討した試験です。
主要評価項目は、外傷後28日以内の院内での頭部外傷関連死です。
ー結果ー
- GCS:9~15の中等症・軽症患者ではTXA投与は頭部外傷関連死亡を有意に減少させた(5.8% vs. 7.5%;RR:0.78[0.64~0.95])
- GCS:3~8の重症患者では減少させなかった(5.8% vs. 7.5%;RR:0.99[0.91~1.07])
- 中等症・軽症患者では早期投与(<3時間)が後期投与よりも効果が高かった(p=0.005)
- 血管閉塞性合併症、痙攣とも両群で差が無かった.
-結論-
- 頭部外傷患者には受傷後3時間以内の出来るだけ早期にTXA投与がなされるべき
CRASH-2同様、頭部外傷においてもトラネキサム酸早期投与の有用性が示されました。
私の施設では、単独の頭部外傷症例においてもCRASH-2試験の結果を汎用してトラネキサム酸の投与をルーチンとしていましたので、これまでの治療方針に変更はありませんがCRASH-3試験により裏付けがとれたことになりました。
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