肺炎球菌ワクチン(ニューモバックスNP)について

肺炎は日本人の死因の第5位(がん、心疾患、老衰、脳血管疾患に次いで)です。

肺炎は細菌による肺の感染症ですが、そのうち1/3~1/4は肺炎球菌が原因とされています。
日本人の約3~5%の高齢者では鼻や喉の奥に肺炎球菌が常在しているとされます。
幸いなことに肺炎球菌はワクチンによる予防が可能であり、わが国でも高齢者に対するワクチン接種が推奨されており各自治体の公費助成でワクチンを接種することができます。
ただしおよそ90種類存在する肺炎球菌の仲間のうち、予防接種が有効なのは23種類(肺炎球菌感染全体のおよそ64%をカバー)にとどまります。

そしてこのワクチン(1回=約8000円)、公費が適応されるのは1回だけです。
というのも、肺炎球菌ワクチンの予防効果は5年以上持続するとされ、これまで一生で1回投与すればよいとされていました。
しかし近年、ワクチン接種により上昇した特異抗体濃度は時間経過とともに低下し、高齢者や呼吸器、循環器に基礎疾患を有する人では特に低下しやすい傾向にあることが報告されるようになってからは再接種を推奨する国も増えつつあります。
米国では 1997 年以降肺炎球菌ワクチンの初回接種から少なくとも 5 年が経過していれば再接種が条件付で認められるようになりました。
英国、フランス、ドイ ツ等ではハイリスク者に対し 5~6 年ごとに繰り返し接種することも認められています。
一方、日本では肺炎球菌ワクチンの接種が 2002 年以降に急増しましたが、既接種者の接種後の期間が5年を経過し始めており、高齢者やハイリスク者における再接種の必要性が高まり(またしても海外の対応にかなり遅れをとった形となりました)、海外に送れること数年、ようやく日本でも再接種が認可されることとなりました。

専門家が決定した肺炎球菌ワクチンの再投与を推奨する対象者「初回接種から5年以上経過したものの中で以下に該当する者」とされています。

  1. 65歳以上の高齢者
  2. 機能的または解剖学的無脾症(例 鎌状赤血球症、脾摘出)の患者
  3. HIV感染、白血病、悪性リンパ腫、ホジキン病、多発性骨髄腫、全身性悪性腫 瘍、慢性腎不全、またはネフローゼ症候群の患者、免疫抑制化学療法(副腎皮 質ステロイドの長期全身投与を含む)を受けている患者、臓器移植または骨髄 移植を受けたことのある者

ただし小児については、前回の接種から3年後に再接種を考慮することが推奨される場合もあり、専門家に相談した方がよいと思われます。

さいごに注意点ですが、公費でワクチンが接種できる年齢は毎年異なりますのでご注意ください。

本日のまとめ

  • 肺炎は日本人の死因第5位
  • 65歳を迎えたら肺炎球菌ワクチンを公費で接種し肺炎を予防しましょう
  • 初回接種から5年以上経過すれば再接種が可能(費用は自費)です

さらに詳細を知りたい方は→予防医学・産業医→ワクチン→肺炎球菌ワクチン参照

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この記事を書いた人

たけしのアバター たけし アラフォー外科医

40歳を過ぎ、人生に焦りを感じ始める
自分がすべきことを探求した結果、健康に関する情報発信を始める
妻の経営する弁当屋のホームページも担当

将来の夢は自分のクリニックをひらき元気な高齢者を増やすこと

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