最近、自分と日本の将来を真剣に考える時間が増えました。
自分が死ぬまでに本当にしたいこと、やり残していることはなにか?
何のために医者になったのか。医者として困っている人のために働くこと、社会に貢献することが私が医者になった理由でした。 そして日本人の死因の第一位である「がん」の治療を行う外科医を選んだのでした。
このまま外科医として働き続けるのか?いずれ訪れる外科医引退後の選択肢はどうするのか?
救急医、消化器内科医、高齢者医療、在宅診療、緩和治療、クリニック開業・・・選択肢は山ほどあります。
とくに最近、真剣に考えるようになったのは高齢者の医療と介護の問題です。2025年問題に取り沙汰されるように、4人に1人が後期高齢者(75歳以上)となる近未来の日本。 厚生労働省の推計では、2012年の109.5兆円だった社会保障費は2025年には148.9兆円へと40兆円近く膨らむ見込みです。その内訳は「医療」は約1.5倍(35.1兆円→54兆円)、「介護」に至っては約2.3倍(8.4兆円→19.8兆円)と推定されています。「年金、年金・・・」と年金問題ばかり国会では答弁されますが、本当にテコ入れが必要なのは「医療と介護」の問題の方なのです。未曽有の超高齢化社会を生き残るためには、国民の我々はいったいどうしたらいいのでしょうか?国の言う通り、2000万円の老後資金を貯蓄できる人は心配いらないかもしれませんが、そんなことを言われても全く安心できないし無責任な政府に呆れてしまうばかりです。
そのために必要なことはただ一つ。高齢者の健康寿命延長しかありません。お金の問題は一朝一夕に解決できるものではありません。となれば国民1人1人が支出を減らす(医療費と介護費)以外に、我々が未来を生き抜く方法はないでしょう。つまり、寝こまずに生涯現役を貫き、老衰でコロッと死ぬピンピンコロリを目指すのです。事実、総合診療や地域医療が盛んな長野県は平均寿命が男性1位、女性1位になっていながら、ひとり当たりの老人医療費は全国最低レベルだそうです。
つまり、きわめて低コストで有効的な治療を行っていることになり、日本の目指す永続可能な高齢化社会の理想像と言えるでしょう。
そこで、ピンピンコロリの理想社会を実現するための手段について自分なりに考えてみました。
①一人一人が生きがいや活動の場を持つ(安倍政権の言う一億総活躍社会)
自宅に閉じこもりがちな高齢者よりもサークルなどで定期的に交流がある高齢者の方が精神的にも肉体的にも健康であることが、すでに疫学研究で証明されています。老人向けのサークル活動を単なる遊びに留めず生産性のあることを共同で行うことで、身体活動を活性化し寝たきりや認知症予防への効果が期待されるばかりでなく、生きがいや達成感、そして連帯感を得ることで高齢者の引きこもりや抑うつ状態にも有効であると考えます。そういう活動であれば、孤独化しやすい単身男性高齢者も積極的に参加しやすいのではないでしょうか?
海外ではsocial prescribing(社会的処方)という言葉があるように、患者さんを社会活動に積極的に参加させることで精神身体活動を活発化し、治療に役立てることがすでに注目されているのです。 実際には以下のような活動が挙げられ、一部はすでに日本でも実践している自治体(福島県や長崎県など)もありますが、まだまだ始まったばかりです。 福島県の南相馬市の取り組みでは、医師の小鷹昌明先生も企画運営に精力的にご参加されていることを小鷹先生の著書で知りました(→小鷹先生の書籍紹介はこちらから)。
例1:休耕地などを大規模に整備し畑や田んぼを作る、当番制で水やり、草取り、収穫、など
駐車場と風呂、送迎を整備すれば遠方でも利用しやすくなる
直売所で販売すれば生産にも意欲的になるし、高齢者の収入にもつながる
農業経験高齢者に技術指導を依頼し、指導料を払えばwin-winな関係を構築できる
例2:料理教室、そば、パン、もちつき、など
元調理経験高齢者による高齢者向けの料理教室を開催する。
元管理栄養士高齢者に参加を依頼し、栄養指導も重ねて行う機会につながる。
単なる料教室ではなく、それぞれの経験を生かした教室を開催することで魅力を高め、
人気の教室となれば一般人の有償での参加も期待でき、新たな高齢者の収入となる
例3:高齢者宅への宅配弁当の仕出し(例1の畑で栽培した野菜を利用すれば材料費削減)
例4:高齢者宅への移動販売
例5:子ども食堂や高齢者食堂のボランティア活動
例6:工房で制作した物品の販売や公共施設への提供
元大工など職人による実演と技術指導により魅力を高める
② 高齢者に健康に関心を持ってもらえるよう啓もう活動を行う
健康相談会、セミナー、無料健康診断を通じて高齢者に自分の健康に注目してもらう
自分の子ども・孫世代の経済的負担、介護の負担が増すことを良しとする高齢者はいないはず
活動費については、自治体助成金を申請することで多少の補助は期待できるかもしれません。
地元企業の有志にも協力を仰ぐことができるかもしれません。
人間生きている限り、健康やお金、人間関係など悩みはつきません。
私自身、これからの人生をどう生きるのか、自分がしたいことはなんなのか、日々悩みながら今を生きています。
「一度きりの人生なのだから思い残すことなく全部やりきる」というのが自分のmotto(モットーが英語だと最近知りました…)です。
一歩一歩、泥臭くとも前進していきたいと思います。
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