COVID-19:症状ない入院患者の約6%がPCR陽性!

新型コロナウイルスの市中感染率6%!?

すでにさまざまなメディアで報じられていますが、慶応義塾大学病院は4月21日、ホームページ上で「4月13日から19日の間に、COVID-19症状のない他疾患患者を対象に行った術前・入院前PCR検査の結果、67人中4人(5.97%)に新型コロナウイルス陽性が確認された。」という驚くべきデータを公表しました。
現在、同病院の入院患者については「4月6日からは、全身麻酔手術を予定する患者に入院前PCR検査および胸部CT検査を行っており、また入院治療を必要とする全ての患者(分娩を含む)に入院前PCR検査を実施している」としています。
その結果、4月13~19日までに行われた術前・入院前PCR検査において、COVID-19以外の治療を目的としたCOVID-19症状のない患者のうち、5.97%(4人/67人中)にPCR陽性が確認されたのです。
この点について同病院は、「院外・市中で感染したものと考えられ、地域での感染の状況を反映している可能性があり、感染防止に向けてさらなる策を講じていく必要がある」とコメントしています。


慶応大学のデータを裏付けるかのように多数の感染者、死者をかかえるニューヨークからも同様の報告があります。
ニューヨーク市民の抗体保有率の調査結果では、新型コロナウイルスに対する抗体の検出率が14%であった(ニューヨーク市に限定すれば21%)というデータからも、「新規入院患者の6%がPCR陽性を示した」という事実は、非常に信憑性の高いデータである可能性があります。

ただし現時点の日本では、症状の有無にかかわらずに実施するスクリーニングPCR検査についての保険適用がないため実施する病院側が検査費用を自己負担しているのが現状のようです。
当初の日本政府は、新型コロナウイルスのPCR検査についてその適応を慎重に判断する方針をとりましたが、慶応大のデータが示すように6%前後の市中感染率が現実となった市中感染の事態を考慮すれば、全国で深刻化する院内感染による医療崩壊を防ぐ手段として、PCR検査実施対象を大幅に見直すという考え方が徐々に主流派となりつつあるようです。
事態を重く受け止めた関係団体は、無症状の患者についてもPCR検査を保険あるいは公費で実施できるように求める訴えが広がっています。
現在、日本における1日のPCR検査実施可能件数は、1万数千件程度と推定され、政府は2万件を目指すと言いますが、そのためには検査体制の確立と機材・人材確保が急務と言えるでしょう。

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この記事を書いた人

たけしのアバター たけし アラフォー外科医

40歳を過ぎ、人生に焦りを感じ始める
自分がすべきことを探求した結果、健康に関する情報発信を始める
妻の経営する弁当屋のホームページも担当

将来の夢は自分のクリニックをひらき元気な高齢者を増やすこと

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