受動喫煙で1年間に60万人が死んでいるという事実

100年に一度の大流行と言われる新型コロナウイルス感染。
その死者数はというと、2022年12月時点で全世界で累計668万人(感染者数6億人)にのぼるそうです。
国別の死者数はアメリカが最多で109万人、日本は5万人となっています。

その一方で、にわかには信じがたいのですが受動喫煙による死者数が全世界で年間60万人という研究データがでているそうです(Lancet,2011)。
その事実を証明した論文が掲載されたLancetという医学雑誌は、医学系論文の中でもトップオブトップとも言えるような有名な雑誌ですから、その内容は確かであるといってよいでしょう。
同様の試算を日本にあてはめた国がんのデータによると、日本全体で年間1万5千人が受動喫煙が原因で死亡しているということになるそうです(死因の内訳は肺がん2484人、虚血性心疾患4459人、脳卒中8014人、乳幼児突然死症候群73人)。
より被害が大きいのは女性で、その数は10500人(男性は4500人)にも及びます。

日本においては、新型コロナウイルスが原因で死亡するのとほぼ同数の方が受動喫煙が原因で死亡していることになります。
受動喫煙は自分の意志で吸うのではなく、他人の煙を吸わされていることによる喫煙ですので、たばこという凶器で殺されたと言っても過言ではないと言えます。
愛煙家の方は、ご自分の大事なご家族のためにも分煙にご協力ください。

もちろん、たばこは愛煙家自身の命も奪います。
その数は全世界で毎年540万人、日本で年間12~13万人だそうです(厚労省データ)。
日本の場合、年間死者数は119万人(2010年)ですので約1割の日本人がたばこが原因の病気で死亡しているということになります。

また経済的観点では、喫煙による医療費増加は年間1.7兆円(2018年度の総医療費44兆円)で、入院・死亡による労働力損失は2.3兆円(合わせて年間4兆円の損失を生む)という試算が出ています(同厚労省データ)。

日本もニュージーランドのように喫煙を法律で禁止することも検討すべきなのかもしれません。

本日は、たばこの恐ろしさを再認識したお話でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。



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この記事を書いた人

たけしのアバター たけし アラフォー外科医

40歳を過ぎ、人生に焦りを感じ始める
自分がすべきことを探求した結果、健康に関する情報発信を始める
妻の経営する弁当屋のホームページも担当

将来の夢は自分のクリニックをひらき元気な高齢者を増やすこと

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