5類感染症への移行後の対応について

令和5年5月8日から新型コロナウイルス感染症は、感染症法上の位置づけが「5類感染症」に変更されました。

これまでは、感染者数などを抑えるために、感染症法に基づく入院勧告や外出自粛等といった行動制限など、様々な対策を政府が中心となって講じてきました。

5月8日以降の医療提供体制は、基本的に季節性インフルエンザ等の他の感染症と同様になります。また、感染防止対策は、個人や事業者の判断、自主的な取組が基本となります。

必要な情報だけをどこよりもわかりやすくまとめました。

感染者本人の対応は?

新型コロナ患者は法律に基づく外出自粛は求められず、外出を控えるかどうかは個人の判断に委ねられます。

  • 発症後5日間を経過し、かつ、症状軽快から24時間経過するまでの間は外出を控えることを推奨します。
  • 発症後10日間が経過するまでは、マスク着用や高齢者等ハイリスク者との接触を控えることを推奨します。
「療養期間5日間」の根拠は?

国立感染症研究所が示したデータでは、感染性のあるウイルスが検出されるのは、発症の翌日から5日目では大幅に下がっていて、7日目には検出の限界値を下回るとしています。

国立感染症研究所が4月、厚生労働省の専門家会合で示した結果によりますと、オミクロン株の「BA.1」に感染した85人の鼻やのどの検体から検出された感染性のあるウイルスの量は、発症日と比べて以下のようになりました。

▽発症から3日目 半分ほど
▽発症から5日目 20分の1以下
▽6日目 40分の1ほど
▽7日目 検出限界値を下回ってほぼ検出されず

7日目以降、検出限界値を上回ることはなかったとしています。

感染者の家族の対応は?

感染者と同居している方は、7日目まではマスクの着用や高齢者等ハイリスク者との接触を控えるなどの配慮をお願いします。

濃厚接触者の取扱いは?

令和5年5月8日以降は、濃厚接触者としての特定は行われないこととなり、従前であれば濃厚接触者として特定されていた者についても、今後は、行動制限及びその協力要請は行われないこと等を踏まえ、同居している家族が新型コロナウイルス感染症に感染した幼児児童生徒であっても、新型コロナウイルス感染症の感染が確認されていない者については、直ちに出席停止の対象とする必要はない。

公共の場やイベント、飲食店でのアクリル板、マスクや会話は?

個人や事業者の判断に委ねられることになります。厚生労働省は判断の参考にしてもらうため、今後も有効だと考えられる基本的な感染対策を示しています。具体的には、手洗いなどの手指衛生と換気については、引き続き有効だとしています。また、いわゆる「3密」の回避や人と人との距離の確保については、流行期には重症化リスクの高い人にとって有効だとしています。一方、事業者などが行っている入場時の検温、入り口での消毒液の設置、アクリル板などのパーティションの設置といった感染対策については、効果やコストなどを踏まえ判断してほしいとしています。

マスクの着用はすでに3月13日から個人の判断となっています。一方で、重症化リスクの高い高齢者などへの感染を防ぐため、厚生労働省は以下の状況ではマスク着用を呼びかけています。

▽医療機関を受診する時
▽重症化リスクの高い人が多い医療機関や高齢者施設などを訪問する時
▽通勤ラッシュ時など、混雑した電車やバスに乗車する時

ただ、おおむね全員の着席が可能である新幹線や通勤ライナー、高速バスなどは除くとしています。

このほか高齢者や、がんなどの基礎疾患のある人、そして妊娠している女性など重症化リスクの高い人は、流行期に混雑した場所に行くときにマスクの着用が効果的だとしています。

また、重症化リスクの高い人が多くいる医療機関や高齢者施設などの職員については勤務中のマスクの着用を推奨するとしています。

新型コロナワクチン接種について?

令和5年度も、新型コロナワクチンを自己負担なしで接種できます。

  • 令和5年春開始接種(追加接種)(5月8日~8月31日)

     対象:高齢者(65歳以上)、基礎疾患を有する者等(5歳以上)、医療従事者・高齢者施設従事者等

  • 令和5年秋開始接種(追加接種)(9月以降)

     対象:5歳以上の全ての者(春開始接種で接種した者も含む)

  • 初回接種(令和5年度通年)

     対象:生後6か月以上の者

検査や外来診療の費用、入院した場合の医療費は?
外来医療費
  • 他の疾病との公平性を踏まえて、保険診療(自己負担あり)となります。
  • 検査費用は3割負担の場合、抗原検査2271円、PCR検査3489円
  • 新型コロナウイルス感染症の治療薬の薬剤費(国が指定したものに限る)は、夏の感染拡大への対応として、令和5年9月末までは無料(全額が公費支援)です。解熱剤や鎮咳薬の処方は保険診療(自己負担あり)になります。

※公費補助の対象薬剤であっても、処方箋料、調剤料等は公費補助の対象外です。

入院医療費
  • 他の疾病との公平性から、医療費は保険診療、食事代は自己負担となります。
  • 新型コロナウイルス治療のための入院医療費は、令和5年9月末まで、高額療養費の自己負担限度額から原則2万円を減額した額が自己負担の上限となります。なお、自己負担限度額が2万円に満たない場合にはその額が減額となります。
病院・高齢者施設等での対応について
  • 感染防止対策に留意した面会の実施(再開)など、利用者のQOLへの配慮をお願いしつつ、研修や訓練などによる感染対策の徹底を周知します。
  • 往診や電話相談等の対応ができる医療機関の確保を、引き続き支援します。
  • クラスター発生施設等へ専門家を派遣し、ゾーニングや個人防護具の着脱等の感染対策の指導を継続します。
  • クラスターが発生したときなどに、必要に応じて行政検査を行います。
  • 感染状況により、入所施設の従事者や新規入所者等に対し、検査を実施します。
これまでの保健所業務は?

現在、高齢者や基礎疾患のある人などについて保健所が行っている健康観察も行われなくなります。

このため厚生労働省は、療養中で症状に不安がある場合などは近くの医療機関を受診するか、都道府県が引き続き設ける24時間対応の相談窓口などに相談をしてほしいとしています。

また、これまで勤務先などからの要請で感染の証明書を求めて発熱外来を受診する患者も多くいましたが、5月8日以降、保健所などは証明書を発行しなくなります。

このため厚生労働省は、感染の証明が必要な場合は、医療機関で発行される診断書を活用してほしいとしています。

学校園における出席停止措置の取扱いは?

新型コロナウイルス感染症への感染が確認された幼児児童生徒に対する出席停止の期間は、「発症した後五日を経過し、かつ、症状が軽快した後24時間を経過するまで」を基準とすること。

※ 無症状の感染者に対する出席停止の期間の取扱いについては、検体を採取した日から5日を経過するまでを基準とすること。

・「症状が軽快」とは、従来の社会一般における療養期間の考え方と同様、解熱剤を使用せずに解熱し、かつ、呼吸器症状が改善傾向にあることをさすこと。

・「発症した後五日を経過」や「症状が軽快した後一日を経過」については、発症した日や症状が軽快した日の翌日から起算すること。

・出席停止解除後、発症から10日を経過するまでは、当該幼児児童生徒に対してマスクの着用を推奨すること。幼児児童生徒の間で感染の有無やマスクの着用の有無によって差別・偏見等がないよう、適切に指導を行うこと。

医療機関での感染対策は?

日本環境感染学会の公式コメント

5 類への移⾏によって社会的ルールは変更されますが、新型コロナウイルスの性質が変わるわけでは
ありません。医療機関における感染対策の緩和はクラスター発⽣などの誘因となり、⼀般診療にも⼤
きな影響が出るため、医療機関での感染対策の基本は変わりません。特に、無症状の感染者がいるこ
とを前提として、院内では可能な限り医療従事者および患者の両⽅がマスクを常時着⽤することが
前提となります。
社会全体が緩和の⽅向に向かっても、医療機関はある程度の感染対策は継続せざるを得ないので、
ポイントを押さえて以下の有効な策を講じながら対処していくことを推奨します。

感染が否定できない患者への外来対応は、従来の発熱外来に限定した対応ではなく、基本はインフ
ルエンザの診療と同様の扱い
となります。ただし新型コロナウイルスの特徴でもあるエアロゾル感
染に対する配慮などは⽋かせませんので、状況に応じた PPE の着⽤、換気の徹底、適切な⼿指衛⽣
やその他有効とされる機器の使⽤などが推奨されます
。さらに、物理的に動線を分ける、患者スペー
スを確保する、あるいは診療時間を分けるなどの⼯夫も検討してください。

⼊院時のスクリーニングに関しては、5 類移⾏後も感染が疑わしい患者には感染確認の検査を推奨
します
。ただし、念のためということで検査の対象を広げすぎないようにすることが重要です。また、
検査以外にも健康観察を⾏って感染者を検知する⽅法も継続すべきと考えます。

検温表の記載や就業前の検温は?

無症候性感染者がいる時点で無効中止でよい。

感染症法の5類に位置づけられた感染症は?

診断・死亡時の医師による届け出は5類は7日以内。
法律に基づく入院勧告や就業制限もできない。
【法】新型コロナウイルス、インフルエンザ(鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く。)、ウイルス性肝炎(E型肝炎及びA型肝炎を除く。)、クリプトスポリジウム症、後天性免疫不全症候群、性器クラミジア感染症、梅毒、麻しん、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症

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この記事を書いた人

たけしのアバター たけし アラフォー外科医

40歳を過ぎ、人生に焦りを感じ始める
自分がすべきことを探求した結果、健康に関する情報発信を始める
妻の経営する弁当屋のホームページも担当

将来の夢は自分のクリニックをひらき元気な高齢者を増やすこと

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