「終活」という言葉もすっかり定着しましたが、今日はそんな自分の死に方についてのお話です。
令和3年(2021年)の人口動態統計によると、日本の年間死亡数は 143 万 9809 人でした。
死因別にみると、死因順位の1位はここ40年間ずっと悪性新生物<がん>(38万人、全死亡者に占める割合は 26.5%)で、しかも毎年増加傾向です。2位は心疾患(21万人、同 14.9%)、そして3位にランクインしたのは老衰(15万人、同 10.6%)です。老衰はここ数年で急激に増加傾向で、平成30年(2018年)から死因の3位となりました。つまり、冒頭のクイズの答えとしては、老衰で安らかに死ねるのは人口の約10%ということになります。
それ以外の9割の人は、死ぬ間際に何らかの苦痛を伴うことになります。がん、心筋梗塞や脳卒中、肺炎や不慮の事故、自殺、腎不全などが死因の上位を占めますから、疾患によるそれぞれの苦痛を感じながら死んでいくわけです。自分は外科医なので、がんの患者さんの診療を専門にしていますが、みなさんのイメージ通り、がんで死ぬのは大変つらいことです。自分の死期がわかるのもつらいし、死ぬ直前には身の置き所のない痛みや息苦しさを嫌というほど味わされます。心筋梗塞や脳卒中のように、ある日突然、がんでぽっくり死んでしまうなんてことはまずありません。がんでは簡単には死ねないのです。
しかし実際には、日本人の5人に1人はがんで亡くなっています。これは大変悲しいことです。がんは予防や早期発見できれば誰にでも治るチャンスがある病気でもあるからです。がんで悲しい思いをしないためにも、普段からの心がけ(がん予防や早期発見・早期治療)が重要です。

日本人の死因を年齢別にみてみると(グラフを参照)、老衰でなくなる人は男女とも平均年齢以上の年齢層に多いことがわかります。老衰である日眠るようにできるだけ苦しまずに死にたいと思っていらっしゃる方は、少なくとも平均年齢以上に到達する必要があります。老衰が増えたのではなく、超高齢者が増えただけのことなのかもしれません。
ということで、本日のまとめです。最後までお読みいただきありがとうございました。
老衰でなくなる人は全死亡の10%(死因の第3位)
老衰で安らかに旅立ちたいのであれば、まずは平均寿命(男性81歳、女性87歳)を超えなければならない
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