現代は日本人の2人に1人が、生涯のうちにがんにかかるといわれる時代と言われています。2018年に新たにがんと診断された人の数は98万人(男性55万人、女性42万人)で、おおよそ100万人が、毎年新たにがんと診断されていることになります。
では、そんな国民病とも言えるがんはいったい何が原因で発症するのでしょうか?
間違いなく加齢はがんをもたらす主要な危険因子と言えます。年齢が上がれば上がるほど、がんで命を落とす人は増えていきますが、残念ながら加齢を遅らせることはできても防ぐことはできません。
一方で、がんの罹患には、さまざまな環境要因や生活習慣も深く関わっていることが分かってきています。国立がん研究センターがん対策研究所のデータによれば、日本人男性のがんの43%、女性のがんの25%は、自分の生活習慣や環境要因の改善で避けられる、つまり、予防できる要因によって起こっているのだそうです。
日本人において、男性のがんの原因となっている因子は影響が最も大きい順に『喫煙(本人喫煙)』次いで『感染』、『飲酒』です。
一方、女性では『感染』が最も高く、その次に『喫煙(本人喫煙)』、『飲酒』という順だそうです(国立がん研究センター)。下位の因子は、運動不足、栄養の偏り(高塩分、食物繊維不足、加工肉)、肥満、大気汚染など。
以上をまとめると、男性のがんの約43%、女性のがんの約25%は予防が可能と結論づけられています。
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この研究結果をもとに、国立がん研究センターが中心となって、日本人のがんの予防にとって重要な、「禁煙」「節酒」「食生活」「身体活動」「適正体重の維持」の5つの改善可能な生活習慣に「感染」を加えた6つの要因を取りあげ、「日本人のためのがん予防法(5+1)」を定めました。
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国立がん研究センターでは、日本全国の11の保健所の協力を得て、調査開始時点で年齢40歳から69歳の男女、総計140,420人を対象に、生活習慣とがんやほかの病気の罹患についての追跡調査を実施してきました。その結果、この5つの健康習慣を実践する人は、0または1つ実践する人に比べ、男性で43%、女性で37%がんになるリスクが低くなるという推計が示されました。
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特に飲酒は、肝細胞がん、食道がん、大腸がんと強い関連があり、女性では男性ほどはっきりしないものの、乳がんのリスクが高くなることが示されています。女性の方が男性よりも体質的に飲酒の影響を受けやすく、より少ない量でがんになるリスクが高くなるという報告もあります。お酒を飲む場合は純エタノール量換算で1日あたり23g程度までとし、飲まない人、飲めない人は無理に飲まないようにしましょう。
これまでの研究から、肥満度の指標であるBMI値が、男性は21.0~26.9で、女性は21.0~24.9で、がん死亡のリスクが低いことが示されました。
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