
総評7/10点
野球を愛し選手を愛し妻を愛した野球史に残る名将の指導理論
2020年2月、妻・佐知代さんを追うように、野村克也氏がこの世を去りました。
選手として、指揮官として、日本球界に燦然と輝く功績を残した野村克也氏。
米メディア「ニューヨーク・タイムズ」でも異例の追悼特集が掲載されました。
本屋でも野村氏の著書コーナーが特設されています。
私も野球を8年ほどやっていたこともあって、ノムライズムには以前から興味がありました。
その代表作である「野村ノート」をさっそく読んでみました。
「野村ノート」は野村氏が選手、解説者、監督などの50年にわたる野球人生から修得した、野球のノウハウだけでなく、指揮官として、教育者としてどうあるべきかということを綴った本です。
本書のあとがきで野村氏自身も「人を育て、強い組織をつくるための方法論とノウハウは、野球以外の世界でも十分に通用するものであると確信している」と述べています。
野村氏はノムさんの愛称で親しまれていましたが、遠慮のないノムさん流ボヤキでも有名でした。
しかし、そういったチームや選手の批判や非難ともとられかねない厳しいボヤキも、本書を読めば選手や野球へのノムさん流の愛情表現なのだということがよくわかります。
野村監督は野球と人間教育に己の人生をかけた愛情と知性にあふれる人物
指導者たるにふさわしいのは野村監督のような人情味あふれる人
実際の指導方法はDカーネギーの「人を動かす」の理論「相手の中に強い欲求を起こさせる」
とくに感銘を受けた言葉を抜粋します。
- 「おかげさまで」という感謝の気持ちを忘れない
- 心が変われば人生が変わる
- 中心なき組織は機能しない(エースや4番にはチームの鑑となる人間性が要求される)
- 仕事を遂行する上で必要な3つの能力「問題分析能力」「人間関係能力」「未来創造能力」
- チームは生きもの
- 人間は一人では生きていけない
- 自分の思い通りになることはほとんどない
- 指導者に必要なのは「人づくり」、素質を見抜き、認め、どう育てていくか
- 地位が人をつくる
- 水は方円の器に従う(水=組織は方円=指揮官しだいでどうにでも変わってしまう)
- リーダーは職場の気流にならなければならない(感奮興起)
- 士は己を知る者のために死す(自分の存在価値を認めてくれる指揮官の下ではチーム優先に徹することができる)
- 人間学のない者に指導者の資格なし
野村監督の野球理論と人材育成論の集大成、ぜひご一読ください。
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