実用化すれば夢のような話が現実のものとなるかもしれません
国立がん研究センター研究所が主導するマイクロRNAをマーカーを用いたがんの早期発見に関する研究成果が公表されました。
本共同研究では、東京医科大学と国立がん研究センターが持つマイクロRNAに関する高度な医学的知見と、東芝が開発したマイクロRNA検出技術を融合することで、13種類のがんの患者と健常者を99%の精度で網羅的に識別することに成功しました。この中にはステージ0の検体も含まれています。今回の成果は、13種類のいずれかのがん罹患を簡便・高精度に検出するスクリーニング検査に適応可能と考えています。また、独自のマイクロRNAチップと専用の小型検査装置を用いることで、検査時間を2時間以内に短縮し、即日検査への適応が可能となります。
東芝グループは、「東芝Nextプラン」において「超早期発見」「個別化治療」を特徴とした精密医療を中核として医療事業への本格的な再参入を表明しております。今回開発したマイクロRNA検出技術を用いることで、高精度でのがんの早期発見が期待できます。これにより、早期の治療が可能になり患者の生存率とQOL向上に貢献することができます。
(東芝ホームページより https://www.toshiba.co.jp/rdc/detail/1911_06.htm)
13種類の癌腫とは
- 胃がん
- 食道がん
- 肺がん
- 肝臓がん
- 胆道がん
- 膵臓がん
- 大腸がん
- 卵巣がん
- 前立腺がん
- 膀胱がん
- 乳がん
- 肉腫
- 神経膠腫
がん検診の受診率や早期発見率の低迷の原因の一つとして、いままで手軽で高精度のスクリーニング検査がなかったことがあげられます。
例えば、
胃がん検診の場合は、つらい胃カメラやバリウム検査をしなければなりません。
大腸がんであれば検便検査や大腸カメラが必要ですし、
胆道がんや膵臓がんに至っては優れた検査方法がなかったため、いまだがん検診自体が存在しません。今回の研究成果が実際の病院やクリニック、職場健診などで運用されれば、侵襲の高い検査を受けることなく手軽にがん検診ができるようになります。その結果、がんの早期発見率を高め治療成績の向上に貢献できる可能性が期待されています。
実用化に向けて3年後をめどに、がんの1次スクリーニング法として、まずは自由診療の枠組みで人間ドックのオプションメニューなどとして試験的に導入していくことを目指すようです。
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